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10月のある日の休日。

この日はバイトの日で、原田さんと同じ接客ポジション。おまけに午前中からシフトが重なった日のことだった。お客さんがいなくなり、丁度、暇になった時、原田さんが俺の横でこう言った。


「はぁ……来週の水曜日は優奈の誕生日か……」


 ちらっと俺の方を見てきたが、別に俺に話している訳ではなく、ただの独り言だと思うから無視しよう。

すると、今度はもう少し大きめな声でこう言った。


「はぁ……来週の水曜日は優奈の誕生日かー」


 完全に俺の方をじっと見てきた。と言うことは、ただの一人事ではなく、俺に言ってきているのか……


「へぇーそうなんだ!。じぁ、何かプレゼントとか考えないとね」


「そうなんですよ〜優奈が喜ぶプレゼントを考えないと行けないんですよ。はぁ……なにしよう」


「なら、葵先輩に聞いてみたらいいんじゃないですか?きっと良いプレゼントを紹介してくれますよ!」


「はぁ……そうしてみます……」


 なんか呆れられたような感じで見られたような気がした。そこから会話がなくなり、気まずい空気が流れ始めた。しかし、丁度夕暮れどきに差し掛かり、お客さんが次第に増えてきた。お陰座で、俺達は接客対応に追われ続けることになり、原田との気まずい空気も知らない間に無くなっていた。だが、バイトが終わり、帰ろうと店の外に出た瞬間、原田さんに呼び止められた。


「先輩ちょっとお願い聞いて貰ってもいいですか?

「どうしたの?」


 まぁ、今日の原田さんの会話から、何を言い出すかは想像つくけど……


「今度の休み日、優奈の誕生日プレゼント探しに付き合って貰いませんか?」


やっぱりそんなことか……まぁ、今度の休みは特に何も無いから別にいいか


「別に良いけど、俺なんかが行っても力になれないかもよ。それでもいいの?」


「大丈夫です。むしろ先輩がいてくれた方が助かります」


「そっか、じゃあ今度の休みの日によろしくね」


 原田さんに頼られた以上は、しっかりプレゼントを選ぼう。さて、島崎さんの誕生日を知っちゃった以上、俺も何かプレゼントを考えなければ……だけど、島崎さんが喜びそうなプレゼントは何だろうか?


――原田さんと約束した休日――


 約束の時間より数分早かった俺は、ショッピングモールの入り口で待つ。そこから数分後、原田さんがこちらに手を振りながら、小走りでやって来た。そして、俺の前に立つと、息を切らしながら前屈みなりこう言った。


「私から誘っておいて遅くなってすみません!」


「大丈夫だよ。俺も今さっき来たばかりだから気にしなくていいよ。それよりも早速行こう!」


「はいお願いします!」


 ショッピングモールの建物に入り、まずは、一番近い雑貨屋さんから行ってみた。普段使いができそうなマグカップやバスボムなどを見た。そして、俺は、以前にも夏木の誕生日プレゼントで贈ったことがある、バスボムを手に取り原田さんに声をかけた。


「これなんか、いいんじゃないかな?これ一度、妹にプレゼントして、物凄く喜んでくれたことがあるから」


 原田さんはなんだか不満そうな表情をし、こう言った。


「うーん。確かにいいんですけど、それって、何回か使ったら、何も残らないじゃないですかー、私的には、ある程度、思い出に残るような物の方がいいかと、例えばこの可愛いワンちゃんのマグカップとか!」


「なるほど、そういうプレゼントの選び方もあるのか……今まで、相手が喜んでくれれば良いと思いながらしかプレゼントを選んで来なかったから、そこまで考えたこと無かった。いやーそこまで、考えている原田さんは島崎さんの事を心から祝福しているんだね」


「まぁ当然でしょ!私、優奈の事心から好きだから!あっ、ごめんなさい!つい学校の時の私がすみません先輩……あと、今の発言は無しで……流石に恥ずかしいので……」


「謝る必要はないよ。それより、プレゼント探しを再開しよう」


 俺は島崎さんにとって、思い出に残るプレゼントを選ぶ。そうなると、すぐに無くなるような消耗品とかよりも、なにか飾れるものとか、島崎が長く使って貰えるものを選んだら良いのかもしれない。そう考えなら俺と原田さんは色んな店を回り、最終的なプレゼントを決めた。


「先輩、今日はありがとうございました!今度、優奈の誕生日に渡しましょうね!」


「そうだね。島崎、喜んでくれると良いけど……」


「大丈夫ですよ!だって先輩、真剣に選んでいましたもん!きっと優奈にもその気持ちが届くはずです!」


「そうだと良いね。」


 こうして、島崎さんのプレゼントを買った俺達。そして水曜日、島崎さんの誕生日の日にプレゼントを渡した。まさか、ヘアピンを誕生日プレゼントとして、渡しただけで号泣されるとは思ってもいなかったけど、まぁ、島崎さんの表情を見る限り嬉し涙な感じだから、喜んでもらえて良かった。


「あぁー優奈を泣かしたー」

「うわーオタク君サイテー」

「泣かしていませんよ!ねぇ、島崎さん!?」

「……」


 涙を拭うだけの島崎さん。島崎さんが頷いてくれれば、原田さんと小林さんのいじりに反撃出来たのに!

読んで頂きありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!


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