な、夏木!
体育祭の次の日
今日は日曜日!
おまけにバイトもなくオールフリー!
しかも、幸運なことに今日は、目が冴えている!
昨日頑張ったはずなのに、なんだこのみなぎるパワーは!
早速、俺は、リビングへ向かう。
パンのいい匂いがする。
もしかして、夏木も朝ご飯を食べているのだろうか?
「おはよう。夏木」
「おはよう。おにぃ」
うん?なんか違和感を感じたような気がしたが、寝ぼけているのだろうか?
こんなにもシャッキと起きれたから、寝ぼけているなんてないと思うが……
俺は顔を洗い、リビングに戻る。
あれ?誰だ?目の前にいる人は……
「おはようおにぃ!」
「な、夏木?」
「どうしたの?早く座りなよ」
いやいやそれどころではない。
一体、どうしてしまったんだ夏木!
夏木は、金髪に髪を染めていた。
昨日まではいつも通りの黒髪だったのに、急にどうしてしまったんだ!
「あ、あの夏木さん。その髪型は……」
「あぁーこれ。どうかな?イメチェンしてみたんだけど、似合っているかな?」
「あっ、うん似合っているよ……」
こうして、夏木はグレていくのだろうか。
最終的には、「おにぃ、お金かして」なんて言い始め、次第に俺を金ずるとしか思わなくなって、最終的には他の男と同居を始めたりして、俺のそばからいなくなってしまうんだろうか
「夏木!やっぱり、いつもの夏木でいてくれ!」
「えっ?急にどうしたの?」
「何か悩みがあるなら相談に乗るよ!だからグレないでくれ!」
「ちょちょっと、おにぃ……痛いよ……」
と夏木に言われ、俺は我にかえる。
つい感情的になってしまって、夏木の手を強く握りしめていた。
「ごめん。夏木。そのつい心配になっちゃて」
「別にいいよ。ていうか、ちょっと嬉しかった。こんなにも私を心配してくれたことに」
「夏木……」
「だけど!私はグレてなんかいないから!これ、ウィックだから!」
とウィックを取ると、いつもの姿の夏木が……
良かった、いつもの夏木だ。
俺は、安堵するのであった。
俺は夏木と食事をとる。
「それで、どうしてそんな姿をしていたの」
「小林先輩に、こういうのも似合いそうと言われて、そのつい……やっぱり変だったよね……」
「全然、変じゃない!むしろーすごく似合っている!たまにはそう言うのも良いと思うよ!」
「じゃあ、今日は一日これでも良いかな?」
「もちろんだよ!」
夏木は一日中、金髪のウイックをつけて、家事をこなしていた。
そして、午後は……
「おにぃ、一緒に買い物いこ!」
目をキラキラと輝かせて言われたら……
「うん、行こう!」
当然断られるわけがなく、俺は夏木とスーパーへ
「ママ!あの人、お人形さんみたいー!に可愛い!」
「こら!人を指ささないの!」
買い物をしていると女の子が夏木を指差して、褒めていたり、帰り道では、俺と同じくらいの女子高校生に囲まられては
「あのー!すみません。もしかして、どこかのモデルさんですか?!」
「よかったら!私達と一枚写真でも撮って貰いますか!?」
と言われ、なんだかんだ、夏木は写真に応じ(※モデルではない事は説明した上で)散々な買い物だった。
けれど、俺は嬉しい。
こうもみんなにチヤホヤされて、ほんといい妹を持った
あっ、そうだ。
最後にあの人にも見せてあげよう!
俺は、夏木の写真をとり、柊さんに写真を送った。
きっと、今頃喜んで、写真を保存してたりして
ーー柊家ーー
「な、なんですかこの写真……反則的に可愛すぎる!はっ!眺めている場合ではない。早く保存しなければ!」
と柊さんは画像を保存し、その写真をコピーし、夏木ちゃんノートと書かれたというノートに画像を張ると言う、俺の想像のはるか上へ行く行動をとるのであった。
――次の日――
夏木はいつも通りに戻っていた。
まぁ、夏木は普通に学校だから、当然だけど……
「おはよう。おぃに」
「おはよう」
金髪の姿の夏木も可愛かったが、やっぱり素の姿の夏木が一番素敵だった。
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