74
「白金あれ、やろう?」
と島崎さんが指を指したのは、プリクラ。
困ったどうしよう・・・・・
恵理に見つかりたくないから、早くゲーセンを出たいが・・・・・・
しかし、島崎さんがプリクラをやりたいのだ。
「もしかして、嫌だった?」
島崎さんが心配そうに俺を見る。
そんな姿を見て、俺は考えるのをやめた。
とりあえずやろう!恵理に見つかった時に考えよう!
「分かりました。一緒にやりましょ!」
と言う事で、俺と島崎さんは仲良くプリクラを撮る。
撮影機器の指示の通り、いろんなポーズを撮る。
「じゃあ、二人でハートの形を作って仲良くハイポーズ!」
俺と島崎さんは、ハートの形を作り互いに合体させる。
これじゃあ、カップルじゃないか!
「次は仲良くハグして、ハイポーズ!」
いやいや流石にこれは無理だろう!
島崎さんだって、俺とハグなんてね!?
「来て白金……」
おいおいまじかよ……
「早く」
腕を広げる島崎さんに抱きつく。
これでいいんだよな……
俺達は仲良くプリクラの指示通り動いては、写真を撮った。
そして、次は写真加工だ。
「白金、可愛い……」
「そんなことないですよ」
と島崎さんは言うが、こんな猫の加工がされて、どこが可愛いのだ。
どっかの誰かさんに見られたら絶対爆笑ものだ……
それよりも、楽しそうにタッチパネルを操作する島崎の方がとても可愛いと思いますよ……
なーんて心の中で思う俺であった。
「よし出来た!」
プリントアウトされた写真を取り出すと、島崎さんは嬉しそうに写真を見る。
「なんか嬉しそうですけど、そんなに嬉しいですか?」
「うん!嬉しいよ。だって、この写真は私の一生の思い出に出来るんだもん」
その笑顔!ま、まぶしすぎる!
俺達は、プリクラを終え、ゲーセンを後にした。
その後も、雑貨ショップへ行ったり、フードコードに行って島崎さんと居る時間を楽しんだ。
道中、恵理みたいな人物を見かけて、ヒヤリしたときもあったが、なんとか恵理には会わずに、無事、島崎さんとショッピングを楽しめた。
「今日は、ありがとう……」
「こちらこそ、ありがとうございました!あの、島崎さん。今日は楽しかったですか?」
「もちろん、楽しかった!また、機会があれば、一緒に出掛けようね!」
と満面な笑みで俺を見る島崎さん。
島崎さんが心から楽しんでくれたことが分かる。
今日は、島崎さんと出かけて良かった……
自宅にて
「ただいま……」
「おかえりおにぃー!」
と抱き着く夏木。
「おーよしよし!」
俺は夏木の頭を撫でた。
まるで、今の夏木は、懐いている子犬のような妹だ。
すると、夏木は俺の服をクンクンと匂いを嗅ぐ。
「おにぃ。女の子と遊んできたの?」
「うん、まぁ、そうだけど」
「ふんー遊びに行くのもいいけど、羽目を外しすぎないようにね……あと、同じ女の子ばかりに構っていると、恵理ちゃんとか怒りだしてくる人も出てくると思うから、くれぐも、一人ばかりに構ってあげないでね……」
そう言い残し、夏木はリビングに戻っていった。
なんだろう、夏木が怒っているように感じたが、気のせいだろうか?
でも、最近、夏木には構ってあげているから、大丈夫だと思うが……
その夜のこと、俺が寝ている時
夏木は、クマのぬいぐるみに怒りのパンチを繰り出す。
「おにぃは、私のものなのに!どこの誰よ!私のおにぃを奪うやつは……あぁーむかつく!」
鬼のような形相で歯軋りを立て、何度も何度もクマのぬいぐるみを殴る夏木であった。
読んでくれてありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!




