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朝のトレーニングを終え、お昼ごろを迎えたころだった。

ある人から連絡が来ていた。


「明日暇かな?良かったら私と映画でも行かない?お互い絆を深めるという意味も込めて」


絆を深めるもなにも、俺と島崎さんは普段から関わりがある方だから、絆を深めなくても大丈夫だと思うが……


まぁ、せっかく島崎さんが誘ってくれたのだ。

次の日も暇だし行ってみよう。


「良いですよ!ぜひよろしくお願いします!」


次の日


俺達は近くの駅に集合することになった。


俺は集合時間の10分前に駅につきそうだ。 


まだ、島崎さんも来ていないだろう……


そう思いながら待ち合わせ場所に向かうと、スタイリッシュ姿の見覚えのある人がきょろきょろしている……


あれは、もしかして島崎さんでは?


俺の存在に気づいたのだろう。


島崎さんが手を振る。


それが分かった俺は駆け足で島崎さんの方へ行った。


「早かったな白金」


「ごめん!俺、遅かった!?」


あれ?俺、集合時間間違えてしまったのか!


もしかして、島崎さんを1時間以上待たせてしまったのだろうか!?


そんな俺の焦りに気づいたのだろうか?


島崎さんは笑い、耳元にぼっそとこう言った。


「大丈夫。ちゃんと約束、守れているよ」


「さぁ、一緒に行こう」と島崎さんは手を伸ばす。


俺は島崎さんの手を取り、仲良く映画館に向かった。


映画館


「白金はどんな映画みたい?」


「えっと……」


沢山映画があるなか、俺が選ぶのは間違えなく、今人気のアニメ映画だろう。


けど、島崎さんはアニメなんかに、興味ないだろうし、それに今やっている映画は、子供向けのアニメばかりだ。


きっと、そんな映画を選んだら、島崎さんに馬鹿にされてしまうだろう。


まるで、昔みたいに


「えっ、白金。そんな映画を見たいのwまだまだお子ちゃまですねーw」


なんて言ってニヤニヤ笑われ、からかわられるだろう。


ここは、島崎さんが見たそうな


「この恋愛ドラマにしましょう!」


「じゃあ、これに…」


これでいい。


また、一人で映画に見に行けばいい。


とにかく、今は島崎さんを楽しませる事だけを考えよう。


「と言いたいところだけど、白金。もしかして、私に合わせてくれているでしょ?!」


「えっ!そんなことは!」


「うそ、白金だったら、絶対にこっち見たいに決まっている!」


というと、じっと俺を見る島崎さん。


そんなに見つめられると、緊張する!


「どうなの?」


「はい、こっちの方が見たいです」


「そっか良かった」


「えっ?」


どういうことだ。


「だって……」と言うと、


「私、少しでも、白金と会話が弾むように、必死で今やっているアニメ映画のこと調べたんだから」


と俺の耳元で言う島崎。


島崎さんがそこまでしてくれたのだ。


これに応えなくてどうするんだ!俺!


「なら、この映画を見ましょう」


という事で島崎さんとアニメ映画を見ることになった。


「楽しみだね」


「そうだね」


まさか、島崎さんとアニメ映画を見るとは……


島崎さんは映画が始まると真剣に見始めた。 


そして、熱くなる場面は、どこか熱いまなざしで見ては、感動できるところでは、涙を流している。



「面白かったな白金」


「そうですね」


「さて、時間もまだあるし、色んなところ回ろう!」


と島崎さんに言われるがままに引っ張られ、俺は島崎さんに色んな所に連れ回されることになった。



――本屋さん――


「見て!白金!このラノベ!私のおすすめ!」


「あぁーそのラノベ面白いですよね!俺も好きです!主人公、ヒロインにモテすぎて羨ましいです!」



「そうだね。だけど、ヒロインからすれば、いつ、好きな人が他のヒロインに取られてしまうのか、気が抜けなくて、仕方がないけどね……」


島崎さんは、どこか切ないような顔で、ラノベを見ていた。


どこか、共感するところでもあったのだろうか



そして、次はゲームセンターに


島崎さんは大きなアザラシのぬいぐるみ取ろうと頑張っている。


最初500円を投入して、取ろうとしているが、あえなく惨敗。


そして、また500円、投入し、また惨敗。


「白金~助けて~」


とうるうるした瞳で、俺を見る島崎さん。


俺に期待したところで取れるわけではないが、とりあえず、頑張ってみよう!


俺も島崎さん同様、500円を導入しいざチャレンジ!


しかし、そう簡単に取れなかった。


「やっぱり、無理だよね……」


島崎さんは深いため息をついた。


その姿を見て、俺はもう少し頑張ろうと思った。


このぬいぐるみを取って、島崎さんを喜ばしたいと思ったからだ。


「島崎さん。俺、もう少し頑張ってみます」


「えっ、でも……お金が」


「大丈夫です!後のことは、後でなんとかしますから!」


俺は、また500円を投入。 


そして、すぐにお金がつき、また500投入。


そして……



「やった!やったな!白金!おめでとう!」


まぁ、たまたま天井が来て、取れただけだ。


沼らなくて、良かった……


「はい、島崎さん」 


「ありがとう!あっ、使ったお金はまた」


「いいんですよ。島崎さんの笑顔が見れるだけで、取った甲斐がありますから」


て俺は、何を言っているんだ!


いくら仲が良いからと言って今の発言は……


「そっか!ありがとう!これ、一生大事にするよ」


とぬいぐるみをギュと抱きしめた島崎さん。


なんだろう?今、物凄く、心が引き締められたような……


そんな感覚に陥っていた時のこと、近くのコインゲームから、大当たりの金の音が聞こえた。



コインゲームコーナーが近かったため、ちょっと気になった俺達は、見に行ってみた。


「見てみて、誰かが大当たりを当てたみたいだね」


「そうだね。1万枚か……」


一体、どんな人が当てた……


俺は、気づいてしまった。


目の前に知りあいがあることに



「島崎さん、他のところ見ましょう!」


俺は島崎さんを連れ、メダルゲームの場所から離れようとした。本当は、島崎さんと少しメダルゲームでもしようと誘うつもりでいたが、ここにいたら、面倒な事に巻き込まれるからだ。


すると、俺のスマホから通知が……


通知主は恵理だ


内容はこうだ。


「1万枚jp!当たりました!今度一緒にメダルやりに行こうね!」


と満面な笑みを浮かべた恵理とjpを当てた台の写真を送ってきた恵理であった。


さて、こんな危険な場所から退避して、島崎さんと楽しい時間を過ごそう。


と俺は、島崎さんの手を引っ張る。


「ちょっと、どうしたの?白金、急に……」


「別に、なんでもないよ。ただ島崎さんと、もっと他の場所にも行きたいなーと思ったから!」


「なら……」



島崎さんの足がとまった。


「あれ、やろうよ」


と島崎さんが指さしたものはプリクラだ。


「いいよね?」


早くゲームセンターから出たい俺と、プリクラを撮りたい島崎さん。


さて、どうしようか……





読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

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