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体育祭競技種目がきまった数日後。
早速、体育祭に向けた練習が始まるのであった。
「白金、今日時間あるよね?」
「えっ?ちょっと今日は……」
「あるよね?」
「うん」
なんとも言えない島崎さんの威圧に負けた俺は、放課後、二人三脚の練習をすることに。
体育祭は、10月の上旬
それなのに1っか月前から練習とは、島崎さんは張り切りすぎだと思うが……
「とりあえず、足結んだから」
島崎さんは足を結んでくれた。
さて、俺達の呼吸はいかに
「じゃあ、私は左足から、白金は右足からだしてね」
「分かった」
「じゃあいっせいので」
俺達は走り始めた。
お互いに「一に一に」と呼吸を合わせながら走る。
走り出しは順調。
これなら、問題もなさそうだ。
グランド半周をすれば、次の組にバトンタッチ。
「なかなか、上手く走れたね」
「まだ、遅い……」
「えっ?」
全然と遅いはずがないと思わないペースだと思うが……
「白金、今度は少しペースを上げるよ」
と言い、二回目の練習が始まる。
そして、島崎さんが言うように、最初の時よりペースが速い。
「ちょっと、島崎さん待ってくれ!」
俺は島崎さんのペースについていけず、止まってしまった。
そして、その反動で島崎さんが転んでしまった。
「ごめん!島崎さん!大丈夫!」
「うん……大丈夫」
島崎さんは立ち上がった。
しかし、体操着が汚れてしまった上に膝から血が……
「とりあえず、保健室に行こう!」
俺の肩を貸し、島崎さんを保健室へ連れて行き、島崎さんを手当てすることに
「ごめん。島崎さん。俺のせいで……」
「ううん。私も悪かった。白金のペースも考えずに、自分のペースを押し付けてしまって」
いいや、島崎さんは悪くない……
悪いのは俺だ。俺がもっと足が速かったら……
島崎さんがこんな目にならずに済んだはずだ。
あぁー……俺なんか、島崎さんの相手には相応しくないだろう。
ただの重りだ。
島崎さんはもっと運動が出来る相手を組むべきだ。
「あの、島崎さん。そこで提案なんですが」
「提案?なに言ってみて」
「俺とペアーを解散しませんか?」
まだ練習が始まって1日しか経っていない。
しかし、今の現状を見る限り、体育祭はいいパフォーマンスは出来ないのは確定だ。
ならば、早い段階で、誰かに頼んでペアーを変えるべきだ。
島崎さんには申し訳ないが、これが一番いい選択肢だ。
ごめん島崎さん……
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