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――9月上旬――


「では、体育祭の参加する種目を決めて貰います!」


ついにこの時がやってきた。


俺が一番嫌いなイベント!その名も体育祭!


普段から、運動をしていない俺にとっては地獄でしかない。


それに加え、毎日30℃を超える暑さの中、毎日のように練習があることが余計、俺へと地獄へと貶める。


「それでは、挙手制で自分がでたい種目を決めて下さい!一応、言っておきますが、一人一種目は参加して下さいね」


と学級員は言うが、学級委員が言っている事は少し違う。


実際、一人あたり出る種目は三種目だ。


一 クラス対抗リレー(強制参加)


二 クラス対抗二人三脚(強制参加&ペアー相手は異性)


三 自分が希望する種目


最低でも一人あたり三種目も出なければならないのだ。


て言う事は、学級委員が言っている事は嘘だ。


この嘘つき共め!


なんて、思っている場合ではない。早く決めなければ……


とにかく楽な競技に……


騎馬戦や、綱引きと言った、きつい種目もある中、楽な種目と言ったら、玉入れ。


一見みれば幼稚で楽な競技だが、そんな事はない。


どれだけ、効率にかつ、正確に入れるかが勝負になる。


体力はあまり使わない競技だが、頭は使う、戦略系競技だ。


「では、玉入れに参加したい生徒は挙手を」


すぐに手を挙げた俺は、玉入れに参加することができた。


残すは……


「では、二人三脚の相手を決めて貰おうかと思います。そこで、厳正なくじで決めて貰います」


学級委員曰く、女子の学級委員の方は女子の生徒が引き、男子の学級委員の方は男子が引くらしい。


そして、引いた紙に書かれている数字が同じ者同士、ペアーになるという仕組みらしい。


なんとも余計な仕組みを考えてくれた学級委員共め。


これで、同じ数字を引いた女子が微妙な顔をされたり「えーむり~」みたいなことを言われたらどうしてくれるんだ。


もう、俺なんか学校に行きたくなくなるもんだ……


こう言うのは、自分から希望する相手と組むべきだ!


と、心の中で学級員達に抗議する。


「では、一人ずつ引きに来てください」


どうか、俺と関わりのある、島崎さん、末永さん、原田さん、小林さんが当たりますように!と思いながら、俺は四番という数字を手に入れた。


なんとも不吉な番号を引いてしまった。


これは、不吉が襲い掛かってくるフラグなのだろうか?


例えば、同じ数字の女子の子が、俺のことが嫌すぎてその場で泣いてしまったり……?


いいや!そんな事はない!(多分!)


どうか、普段から関わりのある人が当たりますように

と言っても、限られてしまうが


くじをひいた者たちが、自分のペアーを探し始めている。


「もしかして、白金君?十二番だったりする」


「いや、違います」


「そっか!」


女子はなんだか嬉しそうに俺の前を去っていた。


どうせ「白金じゃなくって良かった~」と思っているだろう。


その後、色んな女子に声を掛けられては、「白金じゃなくって良かった~」と言わんばかりに嬉しそうに俺の前からいなくなる。


唯一、末永さん、小林さんは残念そうにいなくなってしてくれたが、それでも嬉しそうにいなくなる女子が多くて傷つく。


少しは、気を使って他のところで喜ぶとかしろよ!



「ねぇ、もしかして、四番?」


その声はもしや!


「もしかして、島崎さんも四番ですか?」


「うん……」


と頷いた島崎さんに俺はほっとした。



「これからよろしくお願いしますね!」


「こちらこそ、よろしく。て言うか、手離してくれる?ちょっと痛い……」


つい、喜びのあまり、島崎さんの手を握りしめてしまった。

だけど、本当に嬉しいんだ!


という事で、俺のペアーは島崎さん。


なんとか、不吉フラグの回収はなかった。


良かった!良かった!


こうして、二人三脚は島崎さんとペアーに……


普段から関わりのある人だけあって、それなりに呼吸は合うと思うが、果たして俺達の相性は……


読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

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