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長い夏休みも、もう、一週間をきろうとしていた。


今年の夏休みも、たくさんの思い出を残せた。


島崎さん達と一緒に行ったプール。


夏木と柊さんの誕生日パーティ


葵さん達と行った夏祭り。


どれも楽しかった。


もう思い残すこともない。



そんな中、俺は勉学に励んでいた。


言うまでもないが、今年はバイトに、遊びを沢山した結果、全く、夏休みの課題に手をつけていなかったのだ。


「おにぃ、勉強頑張ってね!はい!これ今日のおやつ。これ食べて、元気を出そう!あっ、一応言っておくけど、毎年のような結果だけは残さないでね……」


と言う夏木の威圧と共にお菓子が置かれた。


夏木が持ってきたお菓子を震えながら食べ、勉強を食べる。


毎年、ギリギリまで課題を残し、最終的には幼馴染の恵理、そして、夏木に手伝ってもらう始末。結果、何とか課題を終わらせる事に成功しているが……夏木は毎年ご立腹。


毎年、夏木にこっぴどく叱られているのだ。


それなのに、こりずにまた、同じことを繰り返そうとしている俺。


だが、ご安心よ。


今回こそは課題を終わらせる!


今回の夏木の様子からして、今年はただでは済まないからだ!


「良し!頑張るぞ!」


とか意気こんだものの、数時間後には、漫画を読んでいた。


少し休憩をとるつもりで、漫画を読みだして最終的には漫画漬け。


一度、漫画を読みだすと、なぜかとまらない!

この後の展開とかも分かっているのに、つい見てしまう!



「おにぃ、何やっているのかな?」


漫画をどけると、そこには満面な笑みを浮かべた夏木様が……


な、なんとも素敵な笑顔だこと……


「様子を見に来てみたら、このざま……これは、教育が必要かな?お・に・い・ちゃ・ん」


夏木は俺の方へ迫り……


全ての漫画を取られてしまい、おまけにスマホまで持って行かれてしまった。


スマホは悪くないのに!


「じゃあ、おにぃ頑張ってね……今度サボっていたら、もう、ないからね……」


「はい、頑張ります……」


今度こそ頑張らなければ、夏木に始末されるだろう。


俺は、必死に課題を終わらせる。


そして、時間は圧倒間に過ぎ、気づくと、夜になってしまった。


「少しは課題は終わらせたかな?」 


「終わってないです……」


夏木に言われ、心を入れ替えて課題に取り組んだ。


だが、課題が難しく、思っていた以上に、捗らなかった。


「ごめん、夏木」


「まぁ、おにぃも頑張ったことだし、また、明日から頑張ってください!」


と言われ、夏木に没収されていた物達が、戻ってきた。


――次の日―― 


心を入れ替え俺は朝から課題に取り組んだ。


朝食、昼食を取らず、ひたすら課題処理。


クーラーを効かせた部屋で、課題に取り組んでいるが、頭がおかしくなりそうだ。


そして、気が付けば夕方。


「おにぃ、一旦、休憩しようよ。無理は良くないよ」


「駄目だ!まだ終わってない!悪いが、入り口の方に、ご飯を置いておいてくれ!」


「分かった……」


課題を終わらせなければ……


すると、物凄い物音が聞こえた。


「おにぃ、休憩もしっかり取ろうね」


「う、うん」


ていうか、夏木さん……貴方、俺の部屋の扉を壊していますが……


「おにぃ!私と一緒に、ご飯を食べよう!」


「は、はい」


いやいや、それよりも俺の部屋の扉が!


夏木は、まるで、何事もなかったように扉を足で踏んで行く


もしかして、「扉は自分で、直そうね!」と言う事で、夏木は直さないつもりなのだろうか?


夏木が壊したのだから、夏木が直してほしいところだが、これ以上言ったら俺が扉みたいになるのだろう。


「さぁ!今日の夕飯は、かつ丼です!これを食べて、課題を乗り越えてください!」


俺は夏木が作ってくれたかつ丼を頬張った。


今朝から何も食べていなかった分、ぺろりと食べ尽くしてしまった。


「さて、頑張るぞ!」


「うん!頑張れ!応援しているよ!」


かつ丼をばねに、俺はひたすら課題に取り組んだ。


そして、早朝……


「終わった……」


全ての課題を終わらせることができた。


これで、今年の夏は、夏木に迷惑を掛けなくて済む。


良かった……


その後、夏木に課題を終えたことを言い、俺はベットの上に寝転んだ。


夏休み終わりまで、1週間をきっていたが、こうして終われて良かった。


あとの短い時間は、すがすがしく過ごせる……


徹夜で、課題に取り組んでいたからだろう。


俺は寝落ちをしてしまうのであった。


「お疲れ様。おにぃ……」


布団をかけてくれた夏木も上機嫌であった。

読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

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