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投稿遅くなってしまってすみません!
良かったら最後まで、見てください!
ある日のバイト終わり。
葵先輩を怒らせることをしてしまったのだろうか
俺は葵先輩に呼び出しを喰らっていた。
恐る恐る葵先輩が待つ休憩室に向かった。
「おっ!きたねー」
「遅いぞ白金」
「もうみんな集まっていますよ!」
「先輩ー!遅すぎー」
来て早々、批判を浴びた俺。
一応、予定時間には間に合っているのにどうして、こんなに批判を浴びなくてはいけないのか不思議だ。
「実は、このメンバーで夏祭りにでも行こうと思います!そこで白金君にも来てもらおうと!お誘いをするため呼び出したけど?どうかな?」
夏祭り。
それは、沢山のリア充共が集まる、陰キャにとっては糞みたいなイベントだ。
たかが花火を見て、わざわざ高い屋台飯を食べて、当たりもしない屋台のゲームを馬鹿プル同士でやって何が楽しいのか気が知れる。
とか言いながら、去年は夏木も行ってしまったが……
今年こそは行かない!
適当な理由をつけて行かないようにしよう!
「もちろん、先輩も来ますよね……」
「いいえ、先輩は強制参加ですよ……」
「という事で!白金君は参加することになりました!拍手」
「良かったな!白金!お前も俺と仲間入りだ!」
と神崎先輩達に歓迎されるのであった。という事で、俺の意見は虚しく強制的にお祭りに行くことに
そして、数日後の土曜日。
葵先輩に言われた公園に行くことに
せっかくの土曜日が……
公園に入ろうとしたところ、とある人物達を見つけた。
それは葵先輩と神崎先輩だ。
俺はとっさにある人物に見つからない場所に隠れた。
そして、その人たちの会話を盗み聞きをした。
「ねぇ神崎君。今日のこの私、似合っているかな?」
「は、はい!とても素敵な浴衣姿だとお、おもいますよ!」
神崎先輩緊張しすぎw!
普段と違う神崎先輩に笑いをこらえ、二人を見る。
しかし、その後の二人は会話が出てこない。
3分くらいたったころ
「なんか、みんな遅いね……」
「そ、そうですね!一体あいつら何しているんですかね!」
そこから会話を続けてください!神崎先輩!
さぁ!会話を続けて!
と思う俺だが、神崎先輩は会話を続けない。
折角の二人っきりのチャンスなんだから!頑張らなくては!
しかし、そんな俺の応援もむなしく、原田さんと後藤さんはやってきてしまった。
折角のチャンス。神崎先輩は台無しにするのであった。
俺も隠れている所から現れ、今来た風に、みんなと合流した。
「さて!みんな揃ったし夏祭りに行こう!」
俺達は夏祭りに向かう事に。
今日は近くの場所で、大きなお祭りが行われる。
俺達はそこへ向かった。
「やっぱり混んでいますね……」
「そうだねーだけど、お祭りはこうじゃないと!楽しくないよね!」
「葵さんのおっしゃる通りです!」
どこを見ても人ばかり。
左を見れば人。
右を見れば人。
それに夜なのに暑い……
あぁークーラーが効いたコンビニとかに入って休みたい。
「なんか、あの辺からいい匂いがする!良し!みんなで行ってみよう!」
と祭りごときに、はしゃぐ葵さんを先頭にみんなついていく。
「うーんやっぱり屋台飯は美味しいな!」
「そうですね」
確かに屋台飯は美味しい。
ここでしか味わえない特別な味だ。
しかししかし!値段が高い!
たこ焼き6個入りで、600円!スーパーなら300円で買えると言うのに!
「なんか、楽しそうに見えないけど、もしかして、つまらない?」
「いえいえ、全然楽しいですよ!」
まさか、葵さんに心を見破られるとは……
もしかして、顔に出ていたとか!
「そっか、ならもっと楽しまないとね!」
と言うと葵さんは、神崎先輩の手を取る。
「あ、葵先輩!何を!」
「えっ、デート」
「デデデデデデート!」
「うん!ここからは私と神崎君。そして、小春ちゃんと美玖ちゃんと白金君で、デートをして貰います!」
「て言う事で……」
「よろしくお願いしますね先輩」
「うん、よろしく」
どうしてこうなる!
俺は、後藤さんと原田さんと一緒に露店を回る事になった。
「先輩!かき氷食べましょう!」
と後藤さんに言われ、俺達はかき氷を食べることに
暑い日のかき氷はとても美味しい。
それに最近のかき氷はふんわりしているのが多く頭がキーンとならなくて良い。
しかし、かき氷を食べると氷が崩れてきて手がベタベタになって汚れる。
「先輩かき氷は、真ん中から食べていくと良いんですよ」
そんな馬鹿なと思いながらも俺は真ん中からかき氷を食べる。
「そしたら、真ん中に穴が開くでしょ?そこに周りの氷を集めていくと……」
なるほど確かにこれで、氷がこぼれ落ちない。
「どう凄いでしょ!」
「すごいよ!よくこんなこと知っていたね!後藤さん!」
「さ、最近、テレビで知っただけですよ……だからそんなに褒められても恥ずかしいです……」
と頬を赤らめる後藤さん。
だが、表情から褒められて嬉しかったことが伺える。
一方、原田さんはまるで嫉妬したかのようにあからさま不機嫌な態度を示す。
「原田さんも俺みたいに食べてみたら?」
「いいえ、大丈夫です!」
「でも、浴衣が汚れて……」
「かき氷を食べて汚れる。これもかき氷を食べる時の醍醐味です!あんな、綺麗に食べたら、かき氷を食べた気にならないと思います!先輩もそう思いませんか!?」
と原田さんに聞かれた。
俺の答えは「綺麗に食べても汚く食べてもかき氷を食べた事実には変わらないよ」
と言いたいが、それを言った瞬間、原田さんの機嫌は悪くなる一方だろう。
ここは地雷を踏まないように……
「そうだね!かき氷は汚してかき氷だよね!」
「ですよね!」
これで、原田さんの機嫌は取り繕うことが出来た。
さて、溶けないうちにかき氷を食べよう。
「先輩の嘘つき!」
「後藤さん。えっ……」
俺は困った。
なぜなら、後藤さんが泣き始めてしまったからだ。
「ごめん、後藤さん!別に嘘をついたつもりはないよ!」
「でも、かき氷は汚して食べるものなんですよね?」
「まぁ、そうも言ったけど、俺は正直、かき氷を食べるのも人それぞれだと思うよ」
綺麗好きな人は綺麗に食べればいいし、そんなのどうでもいい!と言う人は、がっつり氷を食べればいいと思う。かき氷然り、食べ物の食べ方なんて、人それぞれだ。
「あの、後藤さん。その、ごめんなさい」
「えっ?」
「私、先輩の気を引こうと変な知識を披露して」
「ううん、別にいいよ」
「折角の祭りなんで、今日くらいは仲良くしましょう」
「そうだね」
二人は手を取る。
「さぁ!先輩!これを食べたら金魚すくいに行きますよ!」
かき氷をたべ終え、後藤さんと原田さんと金魚すくいへ
さぁ!沢山の金魚をすくうぞ!
と意気込み金魚すくいに挑むが……
「先輩、へたくそ~」
「もう、ポイに穴空いていますね」
金魚一匹もすくえず、散っていった。
一方、後藤さんと原田さんは金魚をうまくすくう。
「後藤さん、上手いですね」
「それを言うなら原田さんも上手いですよ!」
すると、後藤さんのポイに穴があいた。
褒めた直後の穴が……
原田さんは「あぁ……」と声を漏らした。
これは気まずい空気が流れ始めそうだ。
「一緒に交代しながらやりませんか?」
「えっ?いいの?」
「別に構いませんよ」
「じゃあ、やらせて貰います!」
二人は仲良く金魚をすくいだす。
二人はとても楽しそうだ。
まるで、本当の姉妹のようだ。
「ほらほら先輩も」
「えっ、俺も?」
「今度こそはゲットしてくださいね」
と金魚すくいをやるが、ものの見事に失敗するのであった。
その後、俺達は射的に輪投げ、綿あめを食べたりした。
最初は、乗り気ではなかったお祭りが楽しい。
こんなに楽しいものだったとは……
「先輩!次どこに行きますか!」
「そうだね……」
屋台を見ていると、ふと葵先輩と神崎先輩が目に入った。
「ほらほら、神崎君!」
「はい!葵さん!いただきます!」
と葵さんから焼きそばを食べさせて貰っている神崎先輩。
神崎先輩は熱そうに焼きそばを食べる。
そんな神崎先輩に葵先輩は笑っている。
あの二人も楽しそうだ。
「先輩どうしたのですか?」
「ううん、何でもないよ」
こうして楽しい時間は終盤に
もうじき、花火が打ち上がる。
「さて、みんな戻ってきたことだし、皆で花火を見ましょうか!」
と言うが、もう見る場所なんてどこにもないが……一体、どうするつもりなのだろうか?
葵先輩はどこかへ向かっているようだ。
そして、歩き始めて3分くらいだろう。
見覚えのある人物がまさかあの人は
「皆様、お待ちしていました」
「篠崎さん。どうしてここに!」
篠崎 重彦 (しのざき しげひこ)
天野店長の豪邸で長年執事として務める人だ。
そんな人がなぜここに……
「柚木様は、あいにくご予定がそのためこの私が……」
「ごめんなさい。こんなことお願いしてしまって」
「とんでもありません。それよりももうじき始まりますので、おすわりに」
と篠崎さんに言われ、俺はレジャーシートに座った。
「ではわたしはこれで……」
「ちょっと待ってください!」
「なんでしょうか?朝比奈様?」
「篠崎さんも見ていってください!」
「でも、かえって皆様のお邪魔になるのでは」
「そんなこともありません!良かったら見て行って下さい!」
「それではお言葉に甘えて」
こうして、篠崎さんも入れて花火を見る。
「こうして、花火を見ていると、幼い時柚木様と行った夏祭りを思い出します……」
花火を見る篠崎さんは、柔らかな笑みを浮かべ見ている。
まるで、昔の思い出を思い出しているかのようだ。
「綺麗だね神崎君」
「そうですね……」
「神崎君?」
「ご、ごめんなさい!こんなこと急にされて困りますよね!?」
「ううん、嬉しい……」
と葵先輩は、神崎先輩の手を握り直す。
俺達なんか、お構いなしにイチャつきやがって!
こう言うことは、二人っきりのところで、やって欲しいもんだ!
見ろこうやって!悪影響を受ける者が現れたじゃないか!
「花火綺麗ですね先輩!」
「うん、そうだね」
「じゃあ、質問です。私と後藤さん、そして、この花火。どれが一番綺麗ですか?」
と俺の手を握る原田さんと後藤さん。
目の前でイチャついた葵達の悪影響のせいだ!
「うーん、全部綺麗だと思うよ」
「えーなんかーつまんない」
じぁ、詰まる答えとはなんなんだ。
と思っていると、たくさんの花火が打ち上がり始める。
花火も終盤へと向かっているのだろう。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
「うわ〜綺麗!」
「綺麗ですねー」
「柚木様にも見せてあげたい光景ですね」
「そうだ!」
後藤さんが俺にこう言った。
とても、良い案だ。
俺はスマホを取り出し、動画を回す。
周囲の状況を映す。
「白金様、なにをしているのですか?」
「天野店長に送る動画を撮っているのですよ」
「さぁさぁ、篠崎さん!天野店長に何か一言!」
「見てください柚木様。昔見た花火大会を思い出しますね……あの時の柚木様は、とても楽しいそうに花火を見て、はしゃいでいましたね。わたしはあの時、柚木様に花火大会を誘って貰えて心の底から嬉しかったです。また、機会があれば花火大会に誘って下さい」
――花火大会終わり――
「みんな!今日はありがとう!気をつけて帰ってね!」
俺は原田さんと後藤さんを途中まで送ることに……
「楽しかったですね」
「そうだね」
また機会があれば、ぜひお祭りに行きたいもんだ。
だけど、俺を誘ってくれる人なんて来年はいるだろうか?
――バイト先にて――
俺が送った動画を天野店長は見ていた。
そして、こう言うのであった。
「また、お祭りに誘ってあげるよ。篠崎……」
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次回もよろしくお願いします!




