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午前が終わり、午後


俺達は、プール場にある施設を片っ端から遊び尽くす。


「行くよ!白金!」


島崎さんが投げたボールは、一直線に……


そして、ものの見事に、俺の顔面にクリティカルヒット!


「白金君!大丈夫!」


と原田さんは声をかけ、小林さんは「大丈夫?」と心配してくれているが、腹を抱えて笑っている。


そして、島崎さんは……


「ごめん白金。痛くなかったか?」


と心配そうな表情をしながら、俺に近づくと、俺の鼻あたりを触り始める。


顔面に当たったのはビーチボールだから、痛くないことは、島崎さんでも分かっていると思うが……


それになんか、俺の肌に触れるたび、笑みがこぼれているような気がするが!もしかして、これを狙って!


「はいはい、そこまで!優奈、白金君の顔触りすぎ」


原田さんの言う通りだ。

いくら何でも触りすぎた。

まぁ、嫌な気分ではなかったが


「あっ、ごめん。つい……」


島崎さんは、何事もなかったように自分がいたところに戻る。


「じぁ、もう一回いくよ!そーれ」


俺達は、ビーチボールを楽しんだ。

みんな楽しそうに、ボールを取ったり、投げたりする。


「いくよ!白金君!」

「あっ!うん!」


その瞬間、原田さんの胸が弾む。


そして、俺の視線は原田さんの胸に行ってしまう。


原田さん許してくれ!これは男の本能みたいなもんだ。


「美玖!行くよ!」

「優奈!」


皆が、ボールを回すたびに、皆の胸が弾み、つい視線が……


皆に悪い事をしているのは分かるが、どうしても……


「白金君!」


「えっ?……」



そして、場所は移動して、本格的な25メートルプール。


そこでは、自由形で勝負することに……


最下位の人は、一言、皆を褒めると言う罰ゲーム付きだ。


さぁ、最下位にならないために頑張るぞ!

と言いたいが、ほぼ、高確率で俺が最下位になるのは明白だ。


なぜなら、俺は運動が苦手だからだ。

はっきり言って、島崎さんと原田さんには勝てないほど、運動が苦手だ。


この二人には勝てない。


けれど、まだ希望はある。


その希望の星は小林さん。


小林さんは運動が苦手だ。


もしかしたら、最下位は回避できるかも知れない。


小林さんの力は未知数だが、期待を胸に勝負に挑む。


「よーいスタート!」


島崎さんの声で、勝負が始まった。


一位は華麗にクロールをする島崎さん。


二位は島崎さんと同様に華麗にクロールをする原田さん


原田さんと島崎さんはほぼ差がない。


三位は、俺。クロールは出来ているが、全く前に進んでいない。


そして、ビリは小林さん。クロールすらできておらず、今にも溺れそうな勢いだ。


俺と原田さんは、5メートルくらいの差はある感じだ。


俺は必死に泳ぐ。


罰ゲームだけは、絶対に回避をする。


そう思い泳ぐ


そして……


「おぉー!白金君三位じゃん!おめでとう」

「やったね!白金」


二人に祝福をされる俺。


なんか、嬉しいような恥ずかしいような……


祝福をされていたら小林さんがついた。


「みんな早すぎ~」


「楓が遅いだけだよ」


「じゃあ、楓には罰ゲーム執行です~」


と言う事で、小林さんは罰ゲームをすることになった。


「じゃあ、皆のことを褒めてください!」


小林さんは「まずは優奈!」と言って、島崎さんを褒める。


「優奈は可愛くて、面白くて、場を明るくするムードメーカーです!」


「いや~それほどでも~」


と照れる島崎さん。


次は、原田さんを褒める。


「美玖は運動神経が良くて、頭も良くてとにかく頼りになる!」


「なんか、褒められると恥ずかしい……」


今度は俺の番だ。


小林さんは一呼吸する。


一体、何を言われるのだろうか?ドキドキ……


「し、白金は……そ、その、案外とかっこよくて、意外と優しくて、意外と素敵です!」


そう早口で言うと、小林さんは近くにいた島崎さんにしがみつき、後ろに隠れる。


島崎さんは、小林さんを離そうとするが、小林さんは離れない。



それよりもだ……なんだか、すげー恥ずかしいんですけど!


まさか、恵理とか以外の異性にカッコいいなんて言われると思ってなかった!



「さて!楓の罰ゲームも執行したし、そろそろお開きにしますか?」



「えーもっと遊びたい!て言うか!もう一回勝負させて!」


「だけど、電車の時間とかもあるし、また今度にしようか」


小林さんの気持ちも分かるが、原田さんの言う事はごもっともだ。 


少し、名残惜しいけど、また今度。


俺達は最後、記念撮影を撮り、また電車に乗り帰った。


そして、今朝と同じ状況に……


小林さんと原田さんは、俺の肩ですぅすぅ眠る。


そんなに俺の肩は居心地がいいものだろうか?


自分自身寝てみたいもんだ。


「白金は二人にモテモテだね」


と笑った島崎さん。


今朝とは違い、とても晴れやかだ。


「全く、この二人には困りますよ」


「とか言って嬉しいくせに」


「べ、別にそんな事は!」


島崎さんにからかわれるのは、なんとも言えないが、今朝みたいに、元気が無くならなくて良かった。


しかし、どうして朝は、元気が無かったのだろうか?


失礼かもしれないが、気になったので話の流れで聞いてみた。


「それよりも、どうして島崎さんは、朝、元気がなかったのですか?



「それは、白金にドキドキしていたからだよ……」


えっ……なにそれ?


「なんてね!」


ですよね……


島木さんに限って俺なんかにときめくなんて……


「島崎さん?どうしたの?」


「えっ!別になんでもないよ!」


ありえない。あり得ないよね!


こうして、俺達はまた新しい思い出を残すことが出来た。


そして、俺の知らぬ間に新しい恋も始まっていた。



読んでくれてありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!

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