あけおめ
今日から、年明け最初の高校生活が始まった。
まぁ、年が明けたからと言って、特に日常が変わる訳がないが……
また、一年頑張ろう
「じぁ、行ってくるな夏木。後のことは頼んだぞ」
「うん、気をつけてね」
夏木に見送りをされた俺は、学校に向かおうとした。
けれど、ある人物が俺の家の前にいた。
「あけましておめでとう、結城」
恵理だ。
初日から会いたくない人物に会った……
「なにその不満そうな顔は……」
ぎろっと睨まれ、俺は首を横に振った。
恵理と出会えて嬉しいです。
もう、幸せで今年も良い一年を送れそうです!
と恵理の機嫌を取りながらも、俺は恵理から離れて歩く。
もちろん、恵理にはバレない程度だが……
「ねぇ、ねぇあの子……」
周りの視線が気になる。
みんな恵理を見て、から俺を見てクスクス笑った。
どうせ、なぜ、この男が、こんな美少女と一緒なんだろう……
とか思っているだろう。
だから、恵理と歩くのは嫌なのだ。
「ねぇ、結城。もうちょっとこっちに来て」
すると、恵理は、俺の腕に絡みついた。
あのー恵理さん。これは、一体どういう事なのでしょうか……
「結城って最近、他の女の子にモテモテじゃん。それで、私に構ってくれないし……だから今だけはこうさせて……」
嫌です!離れて下さい!
これ、同じ学校の生徒に見られたら変な噂が立ってしまいます!
俺は、恵理から離れるため、抵抗しよう試みた。
だが、恵理の胸が俺の腕に押し当てられ、上手く動かせない!
「結城、そんなに動かないで」
「すみません!」
恵理の胸の感触を感じる。
正月明けの初日にこんな目にあうとは……
この時間が恵理と別れるまで続いた。
「じゃあ、またね」
「うん」
俺と恵理は学校が違う。
そのため、途中で別れた。
だが、この間にもいろんな人に見られては、俺を見て笑う人は多かった。
そして、その中には同じ学校の生徒もいた。
もう、俺のメンタルはずたずただ。
学校に着いた俺は、教室に入った。
すると、一部の女子が俺を見るなりこっちにきた。
「ねぇねぇ白金君。あの美少女さんとは一体、どういう関係なの?」
あの美少女とは……
「ほら!、白金君の腕に絡みついていた美少女だよ!もしかして、白金君の……なわけないよねw」
そうです。俺の彼女ではありません。
ただの幼馴染です。
よくよく考えてください。
俺と恵理が釣り合うわけないじゃないですか……
そう、言った俺は、なんだか、悔しかった。
まだ何も言っていないのに、彼女ではないと決めつめられて悔しかった。
もし、俺がもっと陽キャで、顔も良かったら、そんな事はなかのだろう……
あぁ、どうして俺ばかり、こんな思いをしなければならないのだろう。
昔は、何もなく仲良く恵理と過ごせたのに、最近は、恵理と居るたび辛くなる。
周囲には似合わないと笑われ、俺は辛い……
そんな俺の気持ちを知らない恵理は、毎回俺に構って欲しくてくる。
だけど、それが、俺をまた傷つけてくる。
もう恵理とは関わりたくない
恵理と関わりを無くせばこんな思いをしなくても良い。
そうすれば、俺は幸せになるのだろうか……
この時の、思いがいずれ、恵理との関係に亀裂を入れる事になるが、この時の俺はまだ知らない。
読んでくれてありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!




