クリスマス
以前の続きから少し、先の内容となっています。
ご了承下さい。
色々あった文化祭も終わり季節は秋から冬へ。
そして、圧倒間に12月の下旬まで来てしまった。
あと数日で冬休み!
と浮かれていたこの頃の俺。
だったが、俺は後で知ることとなった。
もう少しで、クリスマス。
異性の男性と過ごすため、女子達が奮戦をする時であることを……
――昼休み――
俺の目の前に現れた人物はこう言った。
「ねぇ、結城。クリスマスの日は暇だよね?」
と人を勝手に暇人扱いした一葉。
全く、人を暇人扱いをして、失礼にもほどがある!
と言いたいが、確かにクリスマスの日は暇だ。
最初、夏木とイルミネーションを見に行こうと計画したが、夏木は友達とクリスマスパーティー。
残された俺は、一人ぼっちのクリスマスを過ごす予定である。
よって一葉が言っている事を否定出来ない俺であるが、ここで「うん……」と一葉の言葉を肯定してはいけない。
なぜなら、一葉はその後こう言うに決まっている。
「なら、私と一緒にクリスマスを過ごしましょう!」的な展開が待ち受けているはずだ。
よってここは……
「ごめん、その日は予定があるんだ」
もう一度言う、俺はクリスマス当日は暇だ。
よって「予定があると」答えた俺は今、一葉に嘘をついている。
これで一葉に「本当?嘘ついてない?」なんてしつこく、問い詰められたら詰む。
なので、今から予定を作ることにする。
よし!クリスマスは、アニメや漫画を読んでくつろぐことにしよう!
よし!これで俺は暇人では無いし、一葉に嘘はついてない!
悪く思わないでくれ一葉。
と言いたいところだが、一葉は俺の言葉を一ミリも信じていないようだ。
見て欲しい。
俺を疑うような目を向け、「ふ~んそれって本当なの」と聞いてくる一葉を……
昔からの幼馴染として少しは信じて欲しなぁ……と思いながら俺はこう言った。
「うん。本当。その日は夏木とクリスマスを過ごす予定だよ」
一人で過ごす予定だが、この方がいい。
夏木がいれば一葉は俺達の中にずかずかと介入してこないはずだ。
「ふ~んあっそ分かった」
とまだ俺を信じているように見えないが、とりあえず一葉を騙せた俺であった。
そして、時を遡り放課後、
――校門の外にて――
そこに、ある人物が待ち構えていた。
「待っていたわよ!」
と俺の前に立ち塞がった人物。
その人物は……
「ここには来ないでて、言ったよね?恵理」
「てへごめん」
と可愛く謝る恵理。
うわ~可愛いー
なんて俺が言うとでも思っているのだろうか。
俺は恵理を放置し、帰る。
今日はバイトないし、誰とも付き合わないため、放課後は久しぶりに暇だ。
なので、恵理に構っている暇はない。
後、恵理に「以後、俺の学校には来るなと」忠告したにも拘わらず約束を破っている罪もある。
「ちょっと待って!」
と恵理は俺の前に立ち塞がる。
俺は恵理を避けようとするが、恵理は俺を逃がさない。
「恵理、どいてくれないかな?」
「なら、私の話を聞いて!」
「ごめん、無理」
と恵理の隙をつき、俺はスタスタと歩く。
だが、恵理も俺と並走する形で歩く。
そして、俺に語りかける。
「ねぇ、結城。いまからアニメショップ行こうよ!ほら、今期のアニメのグッズも沢山あるし!
と恵理は言うがごあいにく様。
そんな嘘が見え見えな誘いには俺は乗らない。
「大丈夫だから」
「な、なら私と、アニメ見ようよ!私、まだ今期のアニメあんまり見れてなんだー」
「なら一人で見るべきだよ」
と言い、恵理の誘いを断る。
恵理はやたらとアニメで俺を誘いだそうとするが、恵理が何かを考えているのは見え見えだ。
「そ、そうだ!結城」
「恵理、ちょっとしつこいよ」
「あっ、ごめんね!」
と言ってもついてくる恵理。
ついてくるなと言ったのに恵理はついてくる。
次第に俺はイライラが募り、俺は恵理にこう強く言ってしまった。
「だからしつこいと言っているよね!?」
「ご、ごめんねしつこかったね……本当にごめん……」
と恵理は、その後、俺の後についてくることは無かった。
これで、やっとせいせいした
これで、恵理に付き纏わられることなくて済む。
それなのに俺は足を止め、恵理の方へ向かっていた。
なんだか、このまま幼馴染を放置しておくのも気が引けたからだ。
そして、恵理の所に戻ると恵理は下を向いていた。
「ど、どうしたの?」
と顔を上げた恵理は、にっこり笑っている。
だが、恵理の目は真っ赤で、涙を擦ったような痕もある。
そんな光景を目の当たりにした俺はさっき強く言い過ぎたことを後悔した。
「恵理、ごめん」
「えっ?なに急に」
と恵理はとぼけるが、俺が何について謝っているか恵理は理解している筈だ。
「恵理、俺が悪かった」
「ううん、別に結城は何も悪くないよ。だから気にしないで!」
と明るく振舞っている恵理。
だが、もう無駄だ。
幼馴染を泣かせておいて、「気にしないで!」なんて言われても、それは出来ない。
「恵理。俺になにか言いたいんだろ」
恵理が何を考えているのかは分からない。
もしかしたら、俺にとって都合の悪いを考えているかも知れない。
だけど、幼馴染を泣かせた以上、こちらにも責任がある。
そう思いながら、恵理の返答を待っていると、恵理は顔を赤くし、恥ずかしそうにこう言った。
「そ、その……私、結城と一緒にクリスマスを過ごしたい……」
一葉と言い、恵理も……
二人とも、他の友達とクリスマスを過ごせばいいものの
と思いながら、俺は一葉同様、恵理にこう言った。
「ごめん、クリスマスは夏木と過ごす予定がある」
これは一葉と恵理が平等になるように断っただけだ。
ほら、一葉だけ断っておいて、恵理の誘いに乗るのは変な事だろう。
一応言っておくが、決して、自分の予定を潰されないために、恵理の誘いを断ったつもりは一ミリもない。
「それって嘘でしょ?」
「えっ、どうしてそれを……」
睨みつけながら、恵理は俺に迫ってくる。
なぜ、嘘がバレた!?
「だって、夏木ちゃん言っていたもん!クリスマスは、友達の家に行くって!」
「これってどういうこと!?」と恵理は顔を振らませ俺を睨む。
一体、今まで泣いていた恵理はどこへ……
もしかして、さっきまでは演技?!
いや、それよりも、夏木!
恵理に自分の予定を教えないでくれよ!
これじゃ!
「それで、もう一度聞くけど、クリスマスは予定空いているよね?」
「う、うん。空いている……」
恵理に睨みつけられ、俺はつい本当の事を言ってしまった。
「なら、決定!クリスマス!結城の家に行くね!あっ、勿論手作り料理も持ってくるから!」
これで、俺のクリスマスは自動的に消えた。
あは、あははは……
これで、クリスマスは恵理と……
一人ぼっちのクリスマスが!……
しかも恵理と二人きり……
いや、それだけは嫌だ!
恵理に何をされるか、分からない!
そんなはらはらするクリスマスにはさせない!
こうなれば他の人も誘おう!
大人数でクリスマスを過ごした方がきっと楽しい!
そう思った俺は後日、末永さんに一葉。後はバイト先の原田さんと……
「クリスマスの日は予定空いているかな?」
「まぁ、暇だけど……」
「なら、今度、俺の家でクリスマスパーティをするからどうかな?」
と俺が声を掛けていたのは島崎さん。
なぜ島崎さんに声を掛けたかと言うと、最近、俺と島崎さんとの距離が縮りつつあると感じたからだ。
なのでこの際、もっと島崎さんと距離を近づけて友達関係を築きたい。
「どうかな、島崎さん」
「し、白金がそこまで言うなら……行ってあげるよ……」
と言う事で俺は末永さん、恵理、一葉、原田さん。そして島崎さんの5人でクリスマスパーティをすることとなった。
なんだか、女子ばかりで、まるでハーレムクリスマスになってしまったが、仕方がない。
一応、神崎先輩とかも誘ったが、なぜか反感を買われ、誘いに失敗。
だからハーレムクリスマスになっても仕方がないのだ!
こうして白金 結城は美女5人とクリスマスを過ごすことになった。
一体、クリスマス当日は何が待ち受けているのだろうか!
次回に続く。
読んでくれてありがとうございます!
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