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Lesson7.初めてのクエスト

マーラタートルヘッドが守っている卵の周りの魔力石の採掘

そのクエストを受けて3人はギルドを出る。

レナーは


「それではお気御付けください」


と言って頭を下げて3人を送る。

エールは


「おお! 行ってくる!」

「そこまで時間掛からないからあ!」


と2人は手を振りながら貞男と歩いていく。

貞男は


「えっと……今回は鉱石の採掘と聞いているんですけど……この依頼に掛かれた隠れ素材も手に入れてくれたら報酬は2倍って書いてあるんですけど……どういうことですか?」


と首を傾げて聞いた。

するとエールは


「ん! んん゛! まあ後々分かるよ!」


と言った。

それを聞いて貞男は


「そっそうですか……まあもし討伐しないととかでしたら別にそこまでしなくていいですよ! どれ程の強さか分かりませんけど俺の我儘でもありますし」


と遠慮していっているとミールは


「その隠し素材も別に戦わなくてもいいよ、まあ戦うのはマーラタートルヘッド自身だろうけど」


と二マっと笑って言った。

それを聞いて貞男は


「そっそうなんですか……」


と言ってその洞窟まで進んだ。

そして


「……でっか」


と貞男はかなりの大きさのある洞窟を塞いで眠っているマーラタートルヘッドがそこにはいた。

エールは


「さてと……始めるか」


と言ってミールの方を見ると


「OK!」


と言ってちょっと薄着になった。

それを見て貞男は


「!? な! な! 何をしてるんですか!! ミールさん!」


と言って真っ赤になって叫ぶ。

エールは


「仕方ないだろ? こうしないとマーラタートルヘッドを退けれないんだし……このままじゃ採掘も出来ない……それに隠し素材も手に入らなくなるぞ」


と言った。

それを聞いて貞男は


「え? どういう……」


と疑問に思っていると


「こっちだよおお! うふーーん!」


とミールは胸元を見せながらマーラタートルヘッドに投げキスをした。

すると先程まで目を閉じていたマーラタートルヘッドはすぐさま目を開けて


「マアアアアアアラアアアアアアアアア!!」


と叫びながら立ち上がる。

そして、


ドズン!! ドズン!! ドズン!! ドズン!! ドズン!! 


と歩き始める。

それを確認してミールは


「こっちこっち!」


と言いながら小走りでマーラタートルヘッドを誘導する。

そして、マーラタートルヘッドが洞窟を離れて卵が見えた。

貞男は


「今ですか?」


と聞くとエールは


「取り敢えずもう少し遠くに行ってから採掘に行くぞ」


と言って貞男を待たせる。

そして数分後

マーラタートルヘッドが見えなくなった頃


「よし、行くぞ」


と言ってエールは貞男に合図をした。

そして、貞男は


「良いんですか? 娘さんを囮にして」


と不思議そうにしているとエールは


「まあマーラタートルヘッドを引き離すのはあいつしか出来ないしな」


と言うと貞男は


「え? ミールってあのマーラタートルヘッドと仲が良いんですか?」


と聞くとエールは


「いや、そういう事じゃねえ」


と言いながら洞窟に入っていった。

そして


「早くしろ……あいつが戻ってきたら確実に全滅だぞ」


と言った。

それを聞いて貞男はビクッとしながら


「え、そんなにヤバいんですか……」


と言いながらピッケルを持って鉱石を取ろうとすると


「待て!」

「!!」


といきなり大声でエールは叫ぶ。

貞男はビクつきながら見るとエールは


「すまん、言ってなかったな……先に卵を退かすんだ」


と言ってそれを聞いて貞男は


「そっそうですね……すみません」


と言ってエールを見ると卵の右側に立って持ち上げようとしていた。

それを見て貞男も左側に立って手を入れた。

そして、


「いくぞ!」

「はい!」

「「せーの!!」」


と言って2人で一気に持ち上げる。


ズシン!


と持ち合えた両手に重さが圧し掛かる。

貞男は今ほど昔鍛えていて良かったと思った事は無い。

そして、落とさないように洞窟の出口から出て少し出口より遠くに置いた。

エールは


「良し! さっさと採掘するぞ!」


と言ってピッケルを持って洞窟内に再び入った。

そして


カン! カン! カン! カン! カン! カン! カン! 


とエールと貞男は卵の周りにあった魔力石を採掘していった。

そして、かなりの量になった魔力石を袋に詰めていった。

エールは


「よし、これぐらいでいいだろう! これ以上は3人じゃ持てん! それにもうそろそろ戻ってくるかもしれん」


と言いながら汗を拭う。

貞男も汗まみれになっておりタオルで汗を拭いた。

そして


「じゃあこの量を取り敢えず外に出すぞ」


と言って貞男も


「はい!」


と言って袋に入った大量の魔力石を洞窟の外に運んでいった。

そして


4つの袋を外に出してそれを近くにあった岩陰に隠す。

エールは


「じゃあ次はこの卵を戻す」


と言って先程の卵を2人で運んで元の洞窟の位置へと戻した。

それが終わりエールは


「良し、取り敢えずはこっちは終わりだ! ミールがもし手伝いがいるなら行ってきてくれるか? 俺はここで鉱石を見守って置く、誰かが盗もうとして応戦するとしたら俺の方が良いだろ!」


と言ってミールの向かった方向へと指さした。

貞男は


「はい」


と言って疲れながらもミールの方向へと走って行った。

そして、ミールの方へと向かうと

ミールは何か胸元から紙を取り出して


「ふん!」


と言って魔力を注ぎ込んだ。

するとそこから大きな瓶と管の様な物が出てきた。

貞男は


「えっと……終わったの?」


と聞くとミールは


「うん? ああ! 終わったよ! ほら! マーラタートルヘッドを見て! 脱力してるでしょ?」


と言って貞男も目をやるとマーラタートルヘッドはぐったりとしていた。

貞男は


「一体何をしたんだ?」


トンミールに聞くとミールは


「……いやん!」


と言って頬を手で触る。

貞男は


「え? 何? 今の何?」


と疑問に思うがミールは


「気にしないで! 男なんだし!」


と言って肩を叩く。

貞男は管の方を見ると白い液体が地面に零れていた。

それは凄くドロッとしていた。

そして、


キュイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!


とミールが魔力を再び注ぎ込んでその白い液体が全て吸い取られた。

そして、再びその紙にミールが魔力を注ぎ込んで、

先程の瓶と管が液体と共に紙の中に入った。

そして


「良し! お父さんのところまで戻るよ!」


と言って貞男の肩に腕を回した。

貞男は


「お……おう」


と言って歩き出す。

その時に


「そういえば隠し素材ってさっきの液体?」


と疑問に思った為、貞男はミールに質問した。

ミールはいたずらっぽい表情になり


「ほほう、気になるんだあ……因みに何だと思う?」


と逆に質問した。

貞男は


「えっと……何?」


と聞くとミールは


「ハッハッハ!! まさか恥ずかしがってる! もう! 恥ずかしがり屋さんなんだから! ウケる!」


と言って笑い出す。

貞男は


「えっと……」


とさすがに顔を赤くしながら俯く。

するとミールは貞男の耳元に口を近づけて耳打ちした。

それを聞いて貞男は


「ぶぶふ!!」


と再び噴き出した。

ミールは


「アッハハハハハハハハハ! もう!! アハハハハハハ! 良い反応するなああ!!」


と言って腹を抱えて笑う。

貞男は


「ちょ! お前! それ!! なんでそんなもの!」


と言って真っ赤になったままそっぽを向く。

それを見てミールは


「ふふ~ん……そうだねエ……転生者だから知らないよねえ……なら後のお楽しみいい~」


と言っていたずらっぽく笑う。

そうこうしているうちに貞男とミールはエールの元に到着した。

そして、


「すまないなあ! ミール! この鉱石を運ぶぞ!」


と言った。

それを聞いてミールは


「一応は収納の札を持って来たんだけど……使わないの?」


と聞くとエールは


「そういうのは結構高くつくからさっきの隠し素材以外には使わない……そもそもそれレンタルだし」


と少し勿体なさそうに言った。

そして、


「お前も冒険者目指すならそれに頼り過ぎるなよ、金がもったいなんだから」


と言ってミールの頭を撫でる。

ミールは


「今の時代これを携帯するのが普通になってきてるんだし……そこまで敏感にならなくても……まあいいけど」


と言って袋を持ち上げる。

貞男は


「じゃあ俺は2つ持ちます」


と言って袋を2つ手に持って運んだ。

そして、3人はギルドまで帰っていった。


--------------------------------------------------------------------------------------


3人はギルドに戻り魔力石と白*液を渡した。


「はい! 確かに! お疲れ様です! こちら報酬の200万になります!」


と言って報酬の入った袋を渡された。

貞男は


「おおお」


と言って少し感動していた。

初めてのクエスト、初めてのクリア、初めての報酬等、異世界にてやっと達成感というものを味わえた。

これで罰金代をある程度は支払える。

生活の水準をあまり下げなくて済む。

それだけでも、貞男はすごく嬉しかった。

すると


「おい、俺とミールで100万取るからお前分はこの100万で良いか?」


とエールは言った。

それを聞いて貞男は


「!! え! え! 何で! 普通3人で分けるとえっと……200万÷3人で……60万ちょっとになるのでは!」


とびっくりしながら言った。

するとミールは


「私はお父さんと一緒に住んでるから分けたこともないんだ、だから遠慮しないで! まあ次からは貞男も一緒にクエスト行くわけだからそこはまた考えることにすればいいよ! それより貞男は罰金を何とかして不安要素を消しておいた方が良いよ! その方が安心して暮らせるでしょ?」


と言って気を使っているのが貞男にも分かった。

それを聞いて貞男は


「……エールさん……ミール……ありがとう」


と言って遠慮なく100万を受け取った。

そして、エールは


「良し! これからちょっと飲もうじゃねえか! お前転生したから果実水ばっかり飲んでいるが一度酒飲んでみねえか! 無理そうならいいが?」


と聞くと貞男は


「そっそうですね……せっかくですし挑戦してみても……あ! でも俺の世界では20歳からしか飲めないんですが……俺16歳なんですが大丈夫ですか?」


と聞くとエールは


「この世界は13歳から飲めるから問題はない! 良し! そうと決まれば飯と酒で貞男の初のクエスト達成記念のお祝いしようじゃねえか!」


と腕を上に突き上げて言った。

ミールは


「それは良いね! 良し! 飲むぞおお!」


と嬉しそうに言った。

貞男は


(おおお! これぞ冒険者の飲み会って奴かああ!! うおおお! めっちゃ楽しみ!)


と思いながら席に着いた。

そして、


「ご注文は!」


と店員が笑顔でやって来た注文を取った。

エールは


「これとこれとこれとこれ!」


とこれこれ言っていったせいで貞男には全く注文内容が分からなった。

そして、美味しそうな食べ物と高そうなお酒がテーブルに置かれた。

店員は


「ごゆっくりどうぞ!」


と笑顔で言ってそのまま立ち去った。

そして、3人はジョッキを持って高級そうなお酒を溢れる程入れた。

そのお酒は白くドロッとした昔ネットで見たドブログの様な感じであった。

するとエールとミールはそのお酒のジョッキを手に持って。


「それでは! 貞男君! 初のクエスト達成! おめでとう!」

「おめでとう!」


と言ってジョッキを


キン!


と鳴らした。

貞男も


「ありがとう」


と照れながらジョッキを持って2人のジョッキに


キン


と当てた。

そして、


「このお酒は……」


と不思議そうにしながら口に含むとほんわりと苦みがありドロッとした口の感触が舌を触り飲み込みにくかった。

貞男は


「うう、何ですか……これ………」


と口の中で味わっているとエールは


「癖はあるが結構いいだろ? マーラタートルヘッドの白〇酒だ!」


と頬を赤めながら笑顔で言った。


「ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!」


とその言葉に驚いて目の前にいるミールにぶっ掛けた。


「いやああ! 顔に掛かった!!!」


と言って白い液体がミールの顔中に纏わりついた。

貞男は


「ごっごめん!」


と言って口を拭いているとミールは


「もう、もったいないなあ」


と言って顔に着いた酒を指ですくって口に入れた。

そして、粘々している酒を口の中でペチャペチャと糸を引かせながら、


「おいひい……おいひいよおお」


と言って頬を赤めながら味わっていた。

それを見て貞男は


「おいひいって言うの止めなさい!」


と言って注意をした。

ミールは


「えええ? にゃんでええ?」


と言って笑っていた。

貞男は顔を赤くしながらそっぽを向いた。

エールは


「おいおい、酒苦手なのかああ? 仕方ねえ」


と言って酒をグビグビと飲む。

貞男は


「いや……酒が苦手というよりこの酒の原材料が苦手っていうか……てかこの為の隠し素材って……報酬金高すぎやしないですか? こっちとしては良いんですけど」


と不思議そうに言った。

するとエールは


「まあこのクエスト人気ないからなあ」


と仕方なそうに言った。

それを聞いて貞男は


「え? 何でですか? かなり割の良いクエストだと思いますよ……やっぱりマーラタートルヘッドが強いモンスターだからですか?」


と聞くとエールは


「まあそれもあるが……お前も見ていただろ? マーラタートルヘッドを移動させる方法を……」


と言った。

それを聞いて貞男は


「いや……まあ見ていましたけど……まさか女性を囮にしてマーラタートルヘッドをおびき寄せるのが問題なんですか?」


と質問するとエールは


「まあその囮としての役割はやっぱり女性的には受け付けないアレとして見ているわけだし、分かるだろ? 素材を見たら? その後隠し素材を手に入れるにはマーラタートルヘッドを果てさせないといけないからなあ」


と頭を掻きながら酒を飲む。

貞男は


「つまり女性的にはちょっと遠慮したいクエストってことですか?」


と聞くとエールは


「そうだな……モンスターとはいえいくら何でも自分をアレにしてアレされることに少なからず嫌悪を示す、そしてこのクエストは絶対に女がいないと達成できない……倒そうとしたら自分達が殺られるからな」


と少し真剣な表情で話す。

貞男はその表情を見て


「どれだけの強さを誇ってるんですか?」


と聞くとエールは


「国が全戦力を注ぎ込んで冒険者達を大量に雇って転生者のチートを何発も叩き込まないと鎮圧出来ない程だ」


と言った。

それを聞いて貞男は


「国家レベルですか! めちゃめちゃ強いじゃないですか!」


と想像以上の強さに驚いていた。

エールは


「まあその時はお前の魔剣も使った方がいいだろうな……正直その時まで使うなとか何て言えねえよお……」


と少し震えながら言った。

それを聞いて貞男は


「そんなにヤバいんすか……うわあ」


とちょっと引いていた。

貞男は


「そういえばさっきのって雄なんですか?」


と聞くとエールは


「いや……マーラタートルヘッドは両性だ」


と答える。

それを聞いて貞男は驚きながら


「ええ! だったらなんでミールに対してアレをするんですか! 両性ならそんな事必要ないでしょうに!」


と言うとエールは

「確かにお前の言いたいことも分かる……しかし、これには深いわけがあるんだよ」


と真面目な表情で言った。

貞男は


「深いわけですか? 何かあったんですか?」

「ああ、あったよ……人間の愚かさが招いた最低最悪な事がな……」


と貞男は異世界に来て何かに踏み込んだと感じた。

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