案内人は…私の……?
─パチッ─
目を開けるとそこは草原で、私はその草原に寝転がっていた。いつの間にか寝ていたのか何なのか……
寝る前?のことは全く覚えてない。
「おぉ~!コシェじゃないか」
コ「クロージ!?!?!?!?」
(……クロージ?なんで出た?)
声の方へ振り向くと、私の知った人物が手を振っていた。その横には私がよく『博士』と言っていた様な気がする人物がいた。クロージ、確かに知っているのだが……何故だかうまく思い出せない。
ク「お前、なぜここになぜここに?」
コ「なぜ?????って…言われても…というか…なんか、2人のこと何となく覚えてる様な懐かしい感じがする…博士ってちっさい頃からの名残で読んでて、もう一人はなんか、とっさに出てきた…クロージ男爵…」
博「…!ここに来る前のこと覚えていない感じでしょうか?」
コ「分からん、さっぱり」
ク「………まあそうだなぁ~…ここは半分夢の中…って感じだな」
半分というのが、何なのかは相手もわかっていないのか濁されてしまった。
ただ明晰夢のように夢なので思い通りに浮いたり自身を反転したりとできるらしい。
だから自分が見たことあるものは、断片的に一つの夢につながっている。
例えば、草原にドアがあって入ると自分の部屋だったり、学校だったりするが、明晰夢でもあるのでドアの先を、思い通りに変更できたりするらしい。因みに相手2人とも、自分のことは覚えていて、口ぶりからして結構長い付き合いなようである。
博「折角なので観光?しませんか。あなたが目覚めるまで。」
ク「ま、そうだな!俺たちから離れないこった!立入禁止っぽいところもあるからな!」
博「さて、想像力豊かなあなたならできるでしょう?自分を浮かせたりなど自分の要望に応えるのは」
どこかで聞いたことのあるようなセリフと口ぶり。コシェは何回かこんな事を言われた気がして……なぜか嬉しくて
コ「舐めないでくれる?これくらいできる」
と煽ってやって見せた。
『無』から魔法をするかのように人差し指を立て、生み出したのは カンパニュラ だった。
クロージと博士は一瞬驚いた顔を見せるも、流石!と褒め、自分が博士と呼んでいたであろうは頭を軽く撫でた。
博「さ!観光しましょうか!目覚めるまで!」
こうして懐かしい人物2人と一緒に夢の中を散歩することにした。
草原から急に途切れるように町中に出た。ゲームで見たようなレンガの建物がずらりと並んでいたり、顔や胴体が四角い人間のような人が歩いていたり…かくいう自分はよく自キャラが着ている服装だったり…
コ「あ、リビィー…」
リビィー 自分の友達でよく一緒にいた。意識せずとも夢に出てきたのはこれで3回目だった。
そこで思い出した。一緒に行動しているこの人達は…今までお世話になった人達だと。
少し泣きそうになりながらも涙を堪え、一緒に夢の中を観光した。
しばらく観光して再び最初の草原に戻った3人は、コシェの想像によって辺りが赤い彼岸花に変わった。
コ「彼岸花の花言葉、最近知ったんだ。リビィーに教えてもらってな」
そしてコシェの手の上には黄色い彼岸花が出現した。
赤い彼岸花の花言葉『情熱・独立・再会・あきらめ・転生・悲しい思い出』そして、黄色は………
なんて思っていると、ふとある所に真っすぐ、より早く行かなきゃいけない気がして向かった。
すると目の前には真っ暗な空間のような部屋のようなものがあり、一歩一歩無意識のうちに踏み出していた。
博「コシェさん!」ク「おい!バカ!」
と2人の大きな声がしたとともに引き上げられ、我に返った。
コ「ごめん…離れるなって言われてたのになんか…一刻も早くいかなきゃいけないような気がしてならなかった」
ク「………このまま行ってたら危なかったんだぞ?」
博「とりあえずあの彼岸花のところに戻りましょうか」
本当は夢の中だからすぐに戻ることは容易だが私はどうしても言いたかった
コ「すまない…本当にありがとう」
言った瞬間、涙があふれて止まらなかった。もうこの2人は現実では生きていない。それを私は忘れようとして阻害していた。
博「思い出してしまいましたか?といっても実は既に思い出していたりしてませんでしたか?…………この花の花言葉は是非リビィーさんに聞いてください。きっと分かると思いますから。この花、何かわかりますか?」
そう嬉しそうな声で博士はある花を出現させ、コシェのポケットにそっと入れた。
コシェは涙を振り払い、自身満々に
コ「スノードロップだろ?花言葉…は分からん」
しばらくして赤くきれいに咲いた彼岸花に着いた。
着いた途端パキパキとガラスが割れるような音が響いた。コシェがキョロキョロと辺りを見渡すと青空の一部に亀裂のようなものが見える。
これは何なのかクロージと博士に聞くと
博「そろそろ目覚める時間みたいですね。暫くはきっと会えませんがあなたならもう大丈夫」
ク「ここに来た時は驚いたがな。何があったかは知らんがもうヘマはするなy…」
そこで自分の視界が真っ暗になって、段々と夢の中で意識のようなものが遠くなっていく感覚がした。
そして次に目を覚ましたのは見知らぬ天井だった。すぐ横にはリビィーがいて、横から乗り出した体制で抱きついていた。異様な光景についていけないコシェは、目だけで辺りを見渡してみると4人が映った写真立てがあった。映っていたのは夢で逢った2人…『博士とクロージ』、自分、横で抱きついてるリビィーの写真を見つけて思わず「あ」と声が漏れてしまった。
その声をリビィーが気づいたのか、慌てた様子で少し涙目になりながらも謎のボタンを連打していた。
暫くして看護服を着た女の人がこちらへ来て、説明をしてくれた。
どうやら私は海岸で転落してしまったらしく、今日まで4日間眠っていたと話していた。
途中、容態が悪くなったりで危なかったらしい。
暫く安静の後、リハビリを受ければ問題無く動くことも趣味もできると教えて貰った。
リ「心配したんだからね!?急に真っ直ぐ崖のほうに歩くんだもん!コシェまで失ったら私……」
また泣きそうなリビィーにそっと抱きつき、頭を撫でて謝った。
コ「すまないね。もう大丈夫だ」
─数か月後─
リ「あの頃からからなんか吹っ切れたような気がするんだけど何かあった?」
コ「………あ、そういえばさ、スノードロップ?の花言葉って何だ」
リ「コシェから花言葉について聞くなんて珍しいね!というか初めてじゃない?どうしたの?」
コ「いや、なんか、病室のベットで横になってる間に夢?みたいなの見てさ。博士とクロージ居たんだ。その時に渡されたような、そんな感覚?があってさ………」
リ「ふーん?なるほどね?それで元気なったの?w」
リビィーはニヤニヤしながらコシェの方を見て言った。コシェはそんなリビィーを横目に早く花言葉を教えろと言った。
リ「スノードロップの花言葉はね~…『希望・慰め』だね!」
コ「ふーん」
リ「相変わらず反応薄いな…w今度行ってスノードロップ置いとく?お供えしとく?」
コ「そうだな」
そう懐かし気に博士とクロージの事を思いながら吹く風を感じ、2人で暫く黄昏れていた。
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ク「元気になりゃー良いな。心身共々これからも。」
博「大丈夫ですよ今のコシェさんは。ちゃんと現実と向き合えています」
ク「それにしてもあいつに何回も感謝されるなんてなぁ~wあいつのこと割とバカにしてたのに」
博「親戚でも一応血縁関係ですってw今でも心配してるじゃないですかww」
ク「そうだな………いやまさかさ、あいつが出した彼岸花以外の花のさ………」
「花言葉の全てに『感謝』なんてものが入ってるとはなぁ~……w」
博「知ってますか?カンパニュラって毒あるんですよ。それにしても貴方が花言葉知ってるなんて珍しいですねw」
ク「あいつのお陰でなwお前も一緒だろw」
こんばんは。初めましての方は初めまして。そうでない方はまた会いましたね。コシェ・アーカイラと申します。
今作の小説はメンバーのうちの一人である作中にも出てきた「リビィー」と一緒に作ってみました。
割と楽しかったですね。
リビィーは作中通り、花言葉をよく知っています。
かく言う私は博士と共に理科に関する物事を学んでいて、割と精通していたりしています。
そんな、所謂「社会組」が作った小説となっております。
なお、誤字・脱字、その他諸々はまた後程チェックしますはい。(見つけたのでいくつか直しました)