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143.「昼の灯り」、「意味」、「沈黙」
「昼の灯り」
ふたりでスキーに行こうって
誘われた理由を知っている
あなたとあの子の噂は
私も聞いているから
リフトを降りれば眼下に雪の街
港を出ていく船は昼でも灯りをともしてる
さよならと口にしたのは
船に向けて言った科白
ーーー
「意味」
人間の血肉に意味なんてない
ぬいぐるみだけが味方
中に詰められたスポンジや綿だけが
この涙を吸ってくれる
人間に意味なんてない
私はぬいぐるみの子
ーーー
「沈黙」
合唱部の歌声が聞こえる放課後
図書室でペンを落として破る沈黙
箸が転んでも可笑しい年頃
通った天使に大騒ぎ




