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135.「私にとって詩は」、「葡萄」、「白い仲間」

「私にとって詩は」


 私にとって詩は

 感情の激流の中に

 ぽつんと流されずにある大きな石で

 そこに乗ることで

 激流や激流を取り巻くものから

 一時的に避難しているというのが正しい

 今日は特に


 ーーー


「葡萄」


 きみは葡萄のように

 みずみずしい果実だったね

 なのに今は見る影もなくしぼんで

 老いさらばえている

 なぜあのとき彼に

 すべてを委ねなかったのかい?

 またたく間に過ぎた青春の時

 後悔と共に

 きみに残されたのは

 吹き付ける木枯らしと

 終わらない冬


 ーーー


「白い仲間」


 鏡を見るまで気づかなかった

 白い姿はカラスらしくない

 黒い仲間たちはその途端、飛び立つ

 ただ黙ってあとを見送る

 しばらくして戻った群れは

 それぞれに木の実を咥えていた

 目の前にそっと置いてひとつ鳴く

 この赤い瞳から溢れたのは同じ色の涙

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