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123.「翻意」、「その涙だけ」、「誕生日」、「時計」。
「翻意」
あなたは夢の実現ため
沢山の相手とキスをする
ただのステップなのに
溜まった涙はもう隠せない
さよならが喉まで出かかると
煙草に火を付ける手を震わせるから
別の涙がこみあげる
ー
「その涙だけ」
別れの気配に気づかないほど鈍くない
お前の笑顔が日に日にぎこちなくなる
離れられてもひとりで生きられる
だが、冷たい為政者にはなりたくない
この世で許しを請いたいのはお前だけ
その涙だけ
ー
「誕生日」
グリーンティーを淹れるから
まだ少し側にいて
あの薬ならもう捨てた
あなたの最初で最後の味方になると
決めたのだから
弱音を吐く自分と決別する
今日が私の誕生日
ー
「時計」
あなたはきっと
いろんな体をした私を
抱きしめているのでしょう
いろんな顔をした私に
微笑んで
いろんな唇をした私に
キスをする
無粋にうながせば
あなたと名残を惜しんだ誰もが
私を時計と思う
それでいい




