20/50
120.「あやとり」、「暗黙」、「誕生日」
「あやとり」
一本の紐を結んで輪にし
手指であやつる
ひとり、あるいは、何人かで
楽しみながら様々にカタチを変化させる
まるで神々が人間の運命を繰るように
終わりが来るときまで
終わらない遊び
ーーー
「暗黙」
言葉はアンビバレントな
生き物のため息
ーーー
「誕生日」
逆子だった
この世に生を受けたくなかった
自分自身が何時に生まれたかを
知っている人がいることに衝撃を受けた
誕生日に何か楽しいことがあった
記憶がない
お前は人間じゃないと言われたことは
覚えている
“生まれた日”は
股の間から拾ってきた日なのだろう
奴隷にするために




