むらもんた先生作 『メンタリスト』より プロローグ・松岡拓海
むらもんた先生の『メンタリスト』第一話を改変させて頂きました。
快く了承してくださったむらもんた先生、頭がおかし……本当にありがとうございます。
『メンタリスト』 Nコード N0782EB
とても汚い話になっております。
食事中の方は閲覧をお控えくださいませ。
読者の皆様こんにちは。この物語の主人公、京野うん子です。
まず始めに、皆様に簡単な心理テストをして貰おうと思っています。
次の光景を想像してください。
一面の銀世界。隔てるものは何もありません。真っ白な雪景色です。家も、壁も、車もなく、何もありません。ただ中央に一つだけ、真っ白な便器があります。
貴方はそこで糞を垂れます。ブリブリと。あるいはビチャビチャと。ひょっとしたらツルンッ、かもしれません。とにかく、貴方はうんこを垂れました。
そのうんこは何色だったでしょうか?
※直感で浮かんだ色をお答えください。
【茶色】
茶色のうんこを想像した貴方。貴方は既に私、京野うん子にマインドコントロールされています。恐らく8割以上の方が茶色を想像したのではないでしょうか?
ちなみに茶色以外の色を思い描いた貴方。恐らく病気です。
白いうんこを想像した貴方。バリウム検査お疲れさまでした。あれ、大変ですよね。
黄色いうんこを想像した貴方。甘いものの摂りすぎです。成人病に注意が必要です。
黒いうんこの方。胃癌の可能性があります。出来るだけ早く病院に相談ください。
この様に、人間のうんこは健康状態で大きく変わってきます。
この物語では、相手の些細な食生活や睡眠時間、または家族の病歴から瞬時に色々な事を判断し、言葉巧みに相手の便意をコントロールしながら主人公である私、京野うん子が登場人物の気持ちを代弁していきます。大便だけに。
茶色と想像した人もそうでなかった人も、是非排泄物に人生が狂っていく瞬間をお楽しみください。
物語の後半に今回どうやって茶色に誘導したのかを解説します。
(※うんこは大体茶色です)
それでは物語をお楽しみください。
――カランカラン――
腸内の路地裏にあるBAR「amsunt」の重く厚い扉を開く。
amsuntとはフランス語で『うんこ』の意味だそうだ。
以前ウンコぺディアで調べた所、そう記されていた。
(※ウンコぺディアとはうんこの事が詳しく書いてあるサイトの事です)
店内は少し薄気味悪く、カウンターにはおまるが四つ、カーテンで仕切られた店の奥には便座が二つある。
備え付けられたトイレットペーパーのどれもが三角折りされており、マスターの人柄がうかがえる。
俺は少しトイレチックなこの店の雰囲気が大好きだった。
いつものモロヘイヤスムージーを注文する。
「ほらよ、ラッパのマークのモロヘイヤスムージーだ」
サングラスをかけた、いかにも臭そうな長身の髭面のマスターがカクテルグラスを俺の前に置いた。鼻を刺す青臭い匂いが括約筋を刺激する。
グッと一気に中身を煽った。
空になったグラスを一瞥してマスターが注文を促す。
「もう一杯どうだ?」
「いや、これでやめておくよ」
モロヘイヤにはものすごい量の食物繊維が含まれている。最近軟便気味だから控えめにしておく。仕事に影響が出ても困る。
そう、仕事だ。
俺の名前は京野うん子。身長179㎝。体重73㎏。細マッチョ体型で、顔はイケメンというか松潤だ。花よりうんこだ。
そんな一見ジャニーズみたいな俺だが、特殊な肩書きを持っている。【ウンコリスト】だ。
先程述べた俺の松潤に似ている顔だが、実はウンコリストを名乗る上では非常に都合が悪い。何故ならアイドルはうんこしないからだ。確実に炎上する。
さて、そもそも【ウンコリスト】とは何か? 説明しなければならない。
一言でいうとウンコそのもの。ウンコの化身。
ウンコ巧みに気持ちを操り、人の心をも排泄させてしまう。それが【ウンコリスト】だ。
例えば、汚いウンコを垂れるのにわざわざお洒落リゾートみたいな空間を作る【サービスエリアの高級トイレのプランナー】、匂いが籠るのにトイレに窓を設計しない【一級建築士】、人のやりたがらない汚れ仕事を一身に引き受けるその姿には心から敬意を表したい【バキュームカーの清掃員】、彼らは【ウンコリスト】だ。そのウンコ知識を遺憾無く発揮し人々の生活レベルを引き上げている。
【ウンコリスト】が身につけるスキルは3つ
1.人のうんこを素手で掴む「鋼の心」
2.人のうんこを自分の検便として提出する「鋼の心」
3.そしてとにかく、「鋼の心」
これらが必要になる。となると必然的に食生活には気を付けなければならないのだ。
批判は京野うん子にお願いします。
むらもんた先生は内容には一切の関与がなく、あのお方は下ネタが苦手です。