第4話 大蛇をさがせ
前回の略奪者は村に委ねることにした。チェコとフェンリルは大蛇を捜していた。チェコはフェンリルの背中に乗っていた。しかもモフモフを堪能していた。
「モフモフ。好き」
「そうか。それはよかったな。それで? 大蛇はどこだ?」
「これ。嗅げ」
チェコは右手に大蛇の抜け殻の一部を持っていた。鞭のようにフェンリルの顔目掛けて一度だけ打った。見事にフェンリルの鼻にくっ付いた。
「す~はぁ~。うん。いい香り……ってなんじゃこりゃぁああ」
フェンリルはおっさん臭いノリ突っ込みをした。だけど後半は半ば本気で言っていた。言い終わったら大蛇の抜け殻の一部をチェコは引いた。
「モフモフ。追え」
「だぁ! 俺は犬じゃねぇ」
「いいから早く」
「たっくよ。俺にそんなことを期待されてもだな。ご要望に応えられるかどうかわかんねぇよ」
フェンリルは渋々地面を嗅ぎ始めた。
「こ、これは!? 案外いけるかもしれねぇぞ」
「よし。いけ」
「癪に障るがまぁいい。いってやろうじゃないか。おい! 走るから気をつけろよ!」
「うん。分かった」
「んじゃいくぞ」
フェンリルは実に用心深かった。だけど最後の一言をすませるとフェンリルは走り始めた。
フェンリルは止まっては地面を嗅いで終わったら走っての繰り返しをしていた。
「うお!? 臭いの濃度が増してきた!?」
大蛇の臭いがどんな物かは知らない。だけどここにいるフェンリルは確かに嗅ぎ取っていた。
「うにゃ? 見つけたのか」
一方のチェコは実に眠たそうにしていた。
「まだだ。しかし」
フェンリルの発言によってチェコの期待は裏切られた。だけどフェンリルはこれで最後と言わんばかりに三回ほど移動しながら地面を嗅いだ。
「いる。いるぞ。間違いなくこの辺にいる」
「姿がない」
チェコは眠たいのを我慢して右手を両眉の上に乗せながら見渡した。だけどどこにも大蛇が見当たらなかった。
「きっと地中に」
いるんだろうとフェンリルが言おうとしたら地響きが起きた。地震ではない。つまりこれは。
「うにゃ。くる?」
「ああ。くるそ。気をつけろ」
大蛇が地響きを起こしながら地面から出てきた。頭と上半身のみが地面から出ていた。どうやらフェンリルとチェコに気付いたようだ。大蛇は口を大きく開けて威嚇してきた。




