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第1話 世界最高の召喚魔法師チェコ

 この作品は気楽な気持ちで書いてました。

 ですから不備があるかも知れません。

 出来れば気楽にお読み頂ければ嬉しい限りです。

 ではそういうことで本編をお楽しみ下さい。では。

 とある祭壇の階段近くに一人の少女が立っていた。


 少女の名前はチェコ。背は低くまだ年端もいかないが世界最高の召喚魔法師だ。


 なにやらチェコは祭壇に魔法陣を描いておりなにかを召喚するようだ。


 チェコは完成したと言わんばかりに両瞼を閉じて両手を前に出して無詠唱を行い始めた。


 チェコは世界最高の召喚魔法師なので無詠唱でも召喚が出来た。まさに天才が成せる技だ。


 しかしいくら天才でも従魔獣を召喚するにはその従魔獣との契約が必要だった。その契約の内容は血の契りだ。つまり召喚者の血を魔法陣に一滴垂らす作業がいる。


「だれだ? 眠りを妨げる者は?」


 謎の声がした。この声こそがチェコが待ち望んだ従魔獣の声だ。どうやら契約まであと一歩のようだ。


「召喚したい」


 チェコは名前を訊かれたのに自分自身の欲望を最優先させた。


「うぬ? ならば血の契りを交わそうぞ」


 従魔獣はやや困惑しながらも言った。次の言葉の時には困惑は治まっていた。


「うん」


 チェコは素直に頷きながら言った。するとチェコは親指を噛んで血を出させた。チェコの血が一滴魔法陣に垂れた。その瞬間だ。なんと魔法陣にチェコの血が染み渡り光り始めた。


「この感じ。確かに交わしたぞ。さぁ。叫べ。俺の名を」


「出でよ。モフモフ」


 辺り一帯に沈黙が流れた。しかもチェコは叫べと言われたのに叫ばなかった。


「ちがぁあう! 俺の名はフェンリルだぁ! さぁ! もう一度だ! 叫べ! 俺の名を!」


「我が儘。嫌い。モフモフ。いい」


 なんだか分からないが急にチェコが不機嫌になった。両腕を組んでそっぽを向き始めた。両頬に空気を入れている。


「だぁ! そんな召喚者ありかぁ! いいからもう一度だけチャンスをやる。だから今度こそ言うんだぞ。なぁ? 分かったか」


「うう。モフモフ」


 チェコは今にも泣きそうだ。さすがは最年少で世界最高の召喚魔法師になっただけのことはある。見事なまでに逆に我が儘だ。


「いいか! 泣き叫びたいのはこっちだ! いいから早く! 俺を召喚してくれよう。俺だってその暇じゃねぇんだから」


「モフモフ。モフモフ。モフモフしたい」


「だぁ! 召喚時は流れ星じゃねぇ! たくよ。久々に召喚されたと思ったらなんなんだ。これは」


「モフモフ」


「そんな残念そうな声を出すな! だぁ! 分かったよ! 今回は一回限りだぞ! なぁ! だから次からはフェンリル様と呼ぶように」


「嫌。モフモフはモフモフ」


「くぅ! 俺は断じて認めないからな! だけど今回は見逃してやるよ! だから! 俺をさっさと召喚してくれ! 頼むから!」


「やった。出でよ。モフモフ」


 元気を取り戻したチェコは最後の掛け言葉を言った。すると魔法陣が急に瞬き始めた。次第に瞬きは激しくなり徐々にだがフェンリルが姿を現した。


「ふぅ。ようやく召喚されたぜ。全く。そもそもどう言う了見で召喚したんだ」


「おお。モフモフ。モフモフー!」


「うお!? いきなり抱き付くんじゃねぇ! ってだから俺の名はモフモフじゃねぇ! 俺には立派なフェンリルって名があるんだ! そんな簡単に」


「モフモフ。お座り」


「う!」


 フェンリルは見事に飼い慣らされていた。これまた綺麗なお座りだった。


「だぁ! こんなのなんかの間違いだぁ! この俺がそんな簡単に」


「モフモフ。お手」


 チェコが右手を差し出した。


「う!」


 どうやら本能が邪魔をしているらしかった。これまた綺麗なお手だった。


「く、くそ! 三度目の正直だ! 今度こそ」


「モフモフ。伏せ」


「だぁ! そんなこと出来るかぁ!」


「やってる」


「くっそぉ~。この俺がなんて無様な姿に」


 フェンリルは残念がったがもう完全にチェコの飼い犬となっていた。


「モフモフ。好き」


 チェコは抱き付きながら言った。


「だぁ! 俺はお前のことが大! 嫌いだぁあああ!」


 フェンリルは遠吠えの如く言い放った。こうして完全に飼い慣らされたフェンリルとド天然のチェコの出会いは終わったのだった。

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