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弁当

作者:nnn
仕出しの弁当は無味乾燥、嫌味なくらい無味乾燥だった。若い留置係の警官が"中の人"に配る。房には、険しい顔の老人と、色白のスキンヘッドの中年ヤクザと、学生のような幼い顔のシャブ中がいた。田舎の小さな警察署にしては、なかなかの盛況ぶりだなと若い警官は思った。Gショックをちらりと見る。まだまだ夜は長い。左手の薬指には、真新しい指輪が光っていた。若い警官の妻は美人で料理がうまかった。たぶん頭もいいのだろう。若いころははじけていたようで、腰にトライバルのタトゥーがある。初めてそれをみたとき、妻は涙ぐみながら、後悔しているといった。それから、若い警官はタトゥーのこと考えないようなら努めた。だが、妻はどうやら、タトゥーにあわせて下着や、洋服を選んでいるようだ。1度何気なく、そのことに触れたが、明らかに不機嫌になったので、それから話題にするのをやめた。妻はいわゆる派手すきな女だ。秘密も多い。だが、若い警官は妻を愛していた。なんとか俺たちはやっていけるよ、と昨晩おふくろにメールをおくった。両親には感謝しかないという気持ちを正直に綴った。自分で書いていて、なぜか目頭が熱くなった。妻はフィットネスクラブに行っていたので、声をだして少しのあいだ泣いた。メールを受け取った、若い警官の母は、息子と同じように、メールを読みながら、涙を流した。長年、郵便局員をやっていた旦那は、無表情な人だが、そんな妻をみて満足そうにうなづいた。今日はなにか美味しいものを食べましょうと、回転寿司にいった。旦那はビールを注文した。それをみて、母はすぐに後悔した。旦那は酒癖が悪く、深酒をしては、母を殴った。ひとしきり殴ったあと、母を犯した。それが、昔からの旦那の性癖だった。そのように、自分が生まれたことを若い警官は知らなかった。真夜中、若い警官はまたGショックをみた。房では、中年ヤクザがたまに大きないびきをかくほかは、静かだった。薬指の指輪をみて、今妻は何しているだろうと思った。警官の母は、旦那が寝ている寝室をこっそり抜けだして、ベランダでタバコに火をつけた。ゆっくり煙を吸い込み、ため息とともにはきだした。月の光が、うすく警官の母の顔を照らし、それはなにより醜かった。

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