天界からの訪問者
「おい蓬」
「なに正雄」
「来るって言ってたのにこんな暑い中なんで待たせられたんだ?」
「アレだ、大人の事情だ。てかたった5分だけじゃねーか」
「お前が言うと意味深にしか聞こえねぇな」
今は正雄を家に入れて二人で雑談をしていた。
特に正雄と遊んでもする事が無いのでいつもこんな感じで喋っている。
「あれ、その辞書みたいな本なんだ?お前辞書なんて読む性格だったっけ?」
「待て。ちょっと待て。それに触れるでない」
「ちょっとだけじゃん。な?先っぽだけでいいから!」
「気持ち悪い言い方すんな!」
なにか語弊が生まれそうな言い方だった。
ビカッ!!
という音が鳴ったのは俺が喋り終わるのとほぼ同時だった。
それは音だけで無く、この部屋中に青白い光がほとばしった。
気が付くと、隣で座っていた正雄がいつの間にか倒れていた。
「おい正雄!しっかりしろ!脈は…あるな。さっきの光で気絶したのか?」
もしそうなら豆腐メンタルだな…と思っていると、顔を上げた俺の目の前にまるで女神の様な人が浮いていた。oh…イッツファンタジー。
白い布を身に纏っていて、髪は細長いロングで金色。そして温かな微笑を浮かべている。
「こんにちわ。レジェンダリーピクシーズの主よ。私はアネネと申します。以後、お見知りおきを」
「あ、牧野蓬です。うっす」
「急で悪いのですが、、私は色々な事をしてしまい天界から追放されましてね…面白そうなのでこれから生活をご一緒してもよろしいですか?」
天界
まるで嘘みたいな話だが勇人が妖精が出てくる本持ってたし信じられない訳でもない。
って今こいつ追放されたって言った!?
「少しストレスが溜まっちゃってて、天帝のお屋敷でメテオを撃ったら追放ですよ?天帝も心がせまいですよね?うふふ」
「待て待て待てそのメテオとやらがどんな技か知らんし怖いから聞きたくもないが天帝って偉い人なんじゃね?天のみかどだろ?」
「ええ、この国で言うと天皇レベルですね!」
「その屋敷でそんな物騒な名前のもん撃ったらそりゃ追放だろうな!」
「差別ですよね。もう、」
アネネとかいう奴は、わざとらしくプンプンと怒っている仕草をみせた後まるで忘れていたかのように正雄の方を見た。
「あ、この子に話を聞かれちゃまずいですねぇ…適当に飛ばしましょうか。ふんぬっ!」
「え?ちょ、ま、正雄ーーーー!!!」
ゴルフクラブみたいなんでかっ飛ばしやがった…扱い雑!
「おい!正雄は大丈夫なんだろうな?」
「まー大丈夫だと思いますよ?これも魔法で出来ていますし、今まででの事は全部夢だと思って寝ているでしょうしね!」
「ならいいけど…」
「で、結論はまだですか?」
「え?なんの?」
「やだなーさっき言ったじゃないですかー。ここで生活させてくださいって。まぁ断られてもここで暮らしますけどっ!ふひひ」
うん。そりゃこんな性格なら追放されて当然だな。天帝さんもさぞこいつの事がうざかったろうに…
「じゃ、まぁこれからよろしくお願いします!蓬さん!」