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変な本を貰ったんだが?


俺はラノベとかアニメとかが大好きだ。

だから異世界召喚とか美少女ハーレムとかとてつもなく憧れる。

でも、それは起こりえない。

なぜなら、ただの妄想と分かりきっているからだ。


そう、思っていた。


「おい!牧野(まきの)!聞いてんのか!?」

「勇人?お前なにやってんだよ。そんなドラクエの勇者みたいな恰好して」

「今はそんな事はいいからとにかく逃げろ!」


今俺に逃げろと叫んでいたのは俺の大親友の希望(きぼう) 勇人(ゆうと)

俺とこいつは幼馴染で、幼稚園から高校2年に至る現在までの長い付き合いだ。

だが、急に逃げろなどと一体なにがあったのだろうか?


「ごめん。理由は後で説明するから今は一刻も早くこの校舎内から出てくれ」


そう。俺たちがいまいるこの場所は、鶏卵高校の教室。

ここから逃げろなんて火事でも起きたのかな?ベルが鳴らなかったが…


「分かった。教えてくれてありがとう、勇人」


そして、俺は勇人の警告通り家に帰った。


「あれ…勇人ってまだ逃げてなかったよな?」


嫌な予感がする…

そう思い、俺はまた高校まで向かった。


「おーい勇人?もう逃げたかのか?」


呼びかけるが勇人の声は聞こえない。

ていうか火事ってねぇし


「…無駄足だったかなぁ」


もし、火事っていないとするならば、なぜ俺に逃げろなどと言ったんだ?

火事以外で思い当たる事は一つ……


「あいつ、俺の渡したエロ本を女子に見られやがったな」


くそっ、中々手に入らないレア物の本だったのに…嗚呼…

さっき習った国語的に言うならば、俺マジ阿鼻叫喚。

あんなの女子に見つかったらシメられるに決まってる。

さらば、エロ本。こんにちは、女子からのリンチ。

はぁっ…


「ぐぅぅ…カハッ」


今のは俺の声じゃない。

勇人の奴、もうすでにシメられた後だったか。南無阿弥。


「あはははは勇人。お前エロ本みつかるからそんな事に…え?」


そんな事になるんだ。

そう、言おうとしたが、目の前に光景にとても言葉を続けられなかった。


「おい、嘘だろ!?勇人!おめぇ頭から血ィ出てんじゃねぇか!」


そこには、勇人が頭から血を流し倒れていた。


「女子のやつらめ、、いくらなんでもやりすぎだろ!」


これはもういじめという域にまで到達しているのではなかろうか。


「ち…がうんだ…女子じゃない…おま…にげ…って…いっ…」

「何が違うんだよ!そこまでされて女子の肩なんか持たなくていいって!てかエロ本でなんでここまでやるんだよ…」

「牧野…よく…聞いてくれ」

「もう喋んなくていい。俺が救急車呼ぶからちょっと待ってろ!」


ポケットの中の携帯を取り出そうとした時、今までで一番強く勇人にズボンを掴まれた。


「一度だけ…しか…しゃ…れねぇ…ちょっと…右手…かして…れるか?」


右手を貸せ。

そう言っているんだと思う。

俺は迷わず右手を差し出した。

だがその時…


「いててててててててててて!いてぇ!」


いきなり勇人が右手を噛んできたのだった。


「ふぅ…すまん。牧野。こうしないと傷が治らない」

「あれ、お前なんで普通に喋れんだよ。てか傷は?」


右手をフゥフゥ冷ましながら問いかけた

普通に気になるだろ。


「ああ、その事は後で話す。ひとまず俺の話を聞いてくれ。俺は、実はこの世界と別にある世界で勇者をやらされる羽目になったんだ。理由も今度話す。とにかく、信じてくれ」


信じられる訳がない。普段の俺ならこいつ頭おかしくなったーとか言っていじっているところだ。

でも、さっきの傷が消えたりしたのは現実では説明がつかない。

そして何より、こいつの真っすぐな瞳をみたら信じない訳がない。


「はぁ…何年お前の親友やってると思ってんだよ。いつもなら茶化すところだが…信じてやるよ。勇人」

そう言うと、勇人は歓喜に満ち溢れたような顔をしてこう言った。


「ありがとう。(よもぎ)

「ゆ、勇人…」


やべぇ目から汗が…


「お前に蓬って言われたの初めてだ!」

「そうか?まぁ確かにいつもは牧野って呼んでいたからな」


俺は強く、とても強く勇人を抱きしめた。


「痛いぞ牧野!てかあと5分しかないから一旦離せ」

「5分?なんの時間?」


5分?カップラーメンなら茹で過ぎだ。

アレだ、カップラーメンは2分30秒ぐらいで食い始めた方がいいぞ。

そうすると伸びにくい。

…なんて雑学はさておき。


「後5分で俺はさっきの状態に戻る。今のは一時的な回復にすぎない」

「さっきの状態っていうとアレか?倒れてたやつか?」


この話がマジなら洒落にならん


「ああ。だから手短に話をさせてくれ」

「お、おう」


マジで先に言えよそんな重要な事

こいつはいつもどこか抜けている。

俗に天然ってやつだ。うん。


「これをお前に託す」

「なんだこれ?」


勇人に渡された物は、まるで辞書の様な分厚い本だった。

中を見てみると、読めないが英語を崩した文字みたいなのが書き込まれていた

だが、所々に様々な色でゲームとかで魔法使いが描くような魔法陣的なのもあった。


「それは、古妖精の喜々乱舞 (レジェンダリーピクシーズ)という物だ。それの魔法陣にお前の指を当てる事で妖精を召喚できる。そいつは向こうの世界の伝説級の兵器だ。この世界なら多分モンスター達も襲って来ることは無いと思うからそれを頼む」

「モンスター?まぁ、よく分からんが親友のお前の頼みだ。持っててやるぜ!」

「あ、それと…」


とても言いにくそうにしながら勇人は話しだした。


「その本はお前をマスターと認識したらお前の意思に関係無く妖精がポンポン出てくる。まぁ、その本に限って無いとは思うが…一応その時はそいつらの面倒をよろしく頼む。無いとは思うがな」


なぜ2回言ったし。


「お、おう。まぁよく分からんがこれを預かってたらいいんだろ?」

「ああ。そういう事だ。それのせいでもし牧野を向こうの世界の事情に巻き込んでしまったら…その時は俺にどんな事でもしてくれていい。責任は必ず取る。それと、その本は俺がモンスター達を全て駆逐するまで持っていてくれ。礼はどんな事でも必ずする」


ふっふっふっ、ふはははっはははははははははは

今どんなことでも必ずするって言ったよね?

言った。絶対言った!


「じゃあ、勇人の隠している彼女を紹介してもらおうか!」

「おう。それでいい…ぞ…」


急に勇人の様子がおかしくなった。


「勇人?もしかして、5分?」

「ああ…一度…あの…世界に…いって…る…じゃ…な…それ…たのん…ぞ…」


たんぽぽの綿毛を吹き消すような感じでどこかへ行ってしまった。

さて、この本持って家に帰るか…


ちょっと読みやすく編集したけどむしろこっちの方が読みにくいかも

あのアレ、かぎかっこと心の声でいちいち改行するってやつ

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