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黒の止まり木に金は羽ばたく  作者: 月圭
ユースウェル王国内編
30/254

丈夫さが不足しています

昨日は忙しくて昼間に更新できませんでした(-_-;)

本日の昼にも更新します。


 まさかの餌付け。

 魔族までもが己たちと同じ状況に陥るとは美味しいご飯の威力は無限大であると実感していた騎士団長。

 そこへミコトは何でもないかのように声をかける。


「なんだ、会いたいのか? 呼ぶか?」


 何を? 黄龍を? 呼べるの? ここに?


「念話ができるからな。呼べば来るぞ」

「今晩御飯の時間だから嬉々として来てくれるよね~」


 念話ってなに。あれかやっぱり便利に活用される神聖魔法かそうなのか。

 ていうか来るの? 嬉々としてくるの?

 ご飯の時間だから?


 なんてこった、龍族と言えば気高く獰猛、魔族の中でも高い能力を持った種族であるというのにイメージ崩壊。

『ご飯だこいこい』で来るってそれわんこ。わんこ二号。尻尾振ってる幻影が見える。


 もちろん一号はスラギである。

 いや、ともかく。


「呼ぶか」

「やめて」


 今にも呼ぼうとしたミコトを速攻止めた。

 何すんの返事してないのに。ヤダこの自由人安定の話を聞かない。


 止まってくれてよかった。止まってくれてよかった。


「なんだ、会いたいんじゃないのか」

「そんなこと一言も言ってません。リリアーナさまは体調を崩されているし、俺たちも魔族になんて会ったこと無いんだぞ。いきなりはやめてくれ」


 というか友達だと主張するミコトとスラギはいいとして騎士団長たちにまで友好的に接してくれる保証なんてどこにもないんだけども。

 騎士団長はひきつった顔でそう主張。

 すると。


「まあ、あいつは結構喧嘩好きだから、知らないやつに会ったら力比べを挑むだろうな」


 止まってくれてよかった! 止まってくれてよかった!!


 なんて情報を後出ししてくるのこの人。力比べって人間と魔族、しかも龍族とやりあって普通の人間がどうにかなると思ってるの? 遠まわしに死ねって言ってるの?


「別にちょっと遊んでやればいいだけだろう」

「龍族は丈夫だから結構楽しいよね~」


 違ったこいつら日常的におかしいんだった。

 自分たちの独自の常識を変人以外に適用しようとしてはいけません。


 ていうか『遊ぶ』って何。『丈夫だから楽しい』ってどういうこと。力関係この変人どもが上? この変人どもが上位なの?

 こいつらの実力っていったいどこまで何が秘められてるの?


 スラギはともかくミコトの未知数加減が急上昇した件について。

 いや、もう考えまい。


「そうかでも呼ばなくていいから。会いたいとか言ってないから。それよりも薬作ってくれお願いだから」


 騎士団長は無理やり話を戻した。すると。


「もうできた」


 薬は既にできていた。

 あれだけ話しながらだったのにこの短時間で出来ていた。材料は多かったうえに聞いた限りイカれた薬効を持った大分複雑な薬だと思うんだけどできていた。


 そしてその色は青緑。ミコト曰く『無味で遅効性』。


 どうしようどこから見ても『無味』に見えない。というか『遅効性』という情報がまず微妙に正しくないし。

 いやミコトは嘘はついてないんだけど。即効薬の即効具合が可笑しいだけだけど。


 言いたいことはいろいろあった。

 が。


「そうか。じゃあ行くか」


 綺麗に笑って騎士団長は促した。


 これ以上変人に挟まれた会話をするには彼の精神は少々疲れすぎていた。











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