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黒の止まり木に金は羽ばたく  作者: 月圭
魔王執務室編
219/254

なんということをしてくれたのでしょう

4日に更新できず、すみませんでした……(-_-;)


 さて本題である。


 そろそろ一体何が本題で何が本題じゃないのかとかなんで騎士団長はこんな自由人どものど真ん中で針の筵なのだろうとか様々なクエスチョンが乱舞しては容赦なくたたき落とされて粉々に砕け散ってきているけれども。


 ちなみに叩き落してきたのはもちろん件の自由人どもと騎士団長です。


 はい、騎士団長も参加していました。だって突っ込みどころが多すぎて流された。あとそろそろ本題は存在しなかったことにして帰りたい。

 ……帰っちゃだめですか。ミコトが騎士団長に強制投与した通称『馬鹿に効く薬』によって体は割と元気ですが精神がボロボロです。


 ていうか本日現在非常に時間経つのが遅い気がする騎士団長だ。だってさっきからずっと夜。残念なことに騎士団長が白い人に拉致られた時点で深夜だったのに、それから結構無駄に時間を消費していると思うのに、まだ夜。


 まだ夜なのだ。


 オカシイ。感覚的に数時間は経っているというのになぜだ。今は夏。夜明けは早い。なぜだ。

あれか。数時間たっているはずと騎士団長が思うのは、楽しい時間は早く過ぎるけれども精神を苛んでくる時間はゆっくり過ぎるという人間の心が作り出す悲しい錯覚か。


 ちょっと泣きそうだった。

 しかしめげている場合ではない。めげていてはプチりと潰される。


 ので。


「突然ですが今は何時ですか」


 挙手をした騎士団長である。


「あんたはいつでも突然だろう」


 呆れたように返したミコトだった。そんな評価はやめてほしい。確かにそれは事実かもしれないけども自由人だけは言われたくない。本当に言われたくない。


 あと答えてほしいの、そこじゃない。


 で。


「何時ですか」


 繰り返した。

 すると。


「ずっと二時だよ~」


 あはっとスラギが答えてくれた。珍しくまともな答えをありがとうと思いかけたけどちょっと待て。


「二時だと?」

「二時だよ~?」

「「二時だな」」

「貴様、まさか時刻表記も分からんのか」


 なんでそんなまさかを勘繰られなきゃいけないんでしょうか。いじめでしょうか。いいえ白の自由人は本気です。

 なお悪い。殴りたい。

 ではなくて。


「いやいやいやいや。俺がヤシロ様に拉致、じゃなくて連れてこられたのが既に深夜、一時は回っていたと思います。なのにまだ二時? そんな馬鹿な」

「やだな、聞いたの団長でしょ?」

「ずっと二時だっつーの」

「なぜアンタは一度で聞き分けない」

「ずっと二時では何か問題でもあるのか、貴様」


 なぜお前たちには問題がないんだ。


 そしてやだこの自由人ども仲いい。毒舌四連射で辛辣さが四倍ドン。黒歴史再びの乙女泣きを披露しそうだ。


 いや、ていうか。

 ……。…………?


「その、さっきから言ってるのは、なんだ」

「は?」

「『ずっと』ってなんだ。『ずっと』二時ってどういうことだ」


 とても嫌な予感がするんです。

 と。




「アンタは阿呆か。俺が来た時点で、時間は止まっている」




 雨が止んだぐらいの軽さだった。


 なんという事でしょう。まさかのタイムストップ。そんなさも自明の理のように言われてもとても困るし残念なものを見る目を向けられる意味が分からない。騎士団長は普通です。想像力は足りています。


 混乱、呆然、驚愕。


 いろいろと騎士団長の中には渦巻いた。しかしその口から見事飛び出したその言葉は。





「自由人によるエンドレス責め苦! なんという生き地獄!」





 己に正直だった。

 のに。


「あはっ。そうだよ~」


「まさかの肯定」


 金髪が久々に悪魔の申し子に見えた瞬間だった。






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