街道
また同じ道を歩くのは気が引けたから、少し、本当に少しだけ迂回し、また街道へとたどり着いた。
昼になったので街道のちょっと横で、お昼にする事にした。
「よぉし!景気付けに裸踊りでも踊るかな!」
パドルは若者達が少しでも、元気が取り戻せれば!と、思い裸踊りを始めた。
「ほれ、アルフレッドも!」
「お、俺は遠慮しときます!」
(パパの馬鹿!)
言うまでもなく、チェルシーの心の叫びである。
「あはははは(笑)」
一行に元気が戻った! その後歩き始め、【ストレスの村】についた。
「早速だが宿を取らないか?」
アルフレッドの急な申し出に、リーダーであるナンバーは戸惑った。
「まだ日は高いぞ?」
「でもここに泊まる方が、この先、雨風を防げる場所で、眠れるかどうかわからないぞ?」
「まぁそこまでお前が言うなら」
「じゃあ俺とキッドで宿とってくるよ!」
「ああ頼む」
少し皆から離れてチェルシーは言った。
「何であんな事言ったの?」
「お前のためだ!宿を二つとる、一つは俺とチェルシーの部屋だ!」
「・・・エッチな事考えてるでしょ?」
「ば、んなわけあるか!?」
そして宿を二つとった。
「サヘル!宿なんだが、とるにはとれたんだ、だが二人分足らなくて、別の宿に俺とキッドが泊まる事になった。悪ぃ!」
「マウスで結構稼いだから問題ないよ」
そこへベガスがやってきた。
「二人ってもしかして同性愛者?」
ベガスは目をキラキラさせながら、興味津々で聞いた。
「違ぇよ!ベガスこそどうなんだ(笑)?」
「僕は女の子しか興味ないよ~」
『本当にぃ~?』
アルフレッドとサヘルがハモった。
そして夜が訪れた。
「ねぇ、アルフレッド」
「ん?」
「私の髪を切ってくれない?」
「なんだよ、いきなし」
「やっぱり、このままじゃ、いつかパパに気づかれると思うの。ショートカットにして」
「その長い髪の毛を捨てるのか?」
「うん」
「わかった。誰にも気づかれないように、街道の来た道を戻るぞ」
そして二人は夜の街道へ繰り出した。
「よし、ここらへんでいいだろう」
「首もとだけ残して」
「わかった!いくぞ!」
夜、しかも剣で、髪の毛を切るなんて妙技、ディアールでも、できるのはわずかだろう。
「ありがとうアルフレッド、チュッ」
夜、しかも二人きりで、女の子にキスをされて、動揺しない野郎はいないだろう。
「襲わないでねっ!」
そう言ったチェルシーの顔は、恥ずかしさを隠した満面の笑みだった。
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