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誰も知らない神の法則  作者: 駿河留守
青色の炎
94/163

愉快②

「感動的です。あのふたりの切ない運命に涙が止まりません」

「まったくね」

「そうだな」

 一応共感して置く。確かに内容としておもしろかった。だが、恋愛ものというジャンルは大きなアクションが少ないので物足りない。どうせ映画館で見るならもっと迫力ある方が映像も音も迫力が出ていいと思うのだが。恋愛ものなんてどこで見たっていっしょではないだろうか。と議論したいと思うのだが多数決で絶対に負ける状況がここに出来上がっている以上何も言わない。

「また、行きましょうね。3人で」

「そうね。3人で」

「そうだな。3人で」

 この3人という関係は一体いつまで続くのか。

 映画の中で出てきた三角関係。今の俺たちはそれに近い状態にある。映画の中ではドロ沼状態になったが3人が納得し合ってハッピーエンドになっていたが現実はそうもいかない。今の状況を保つには進まないことが大切だ。この3人の関係を今の状態に保つのが重要だ。うまくいかどうか神様しか知らないだろう。

 俺たちはそのままフードコートにやって来た。休日のお昼時で人の量は尋常じゃなかったが席を確保することはできた。

「さて、何食べます?」

「適当にマックとかでいいだろ」

「そうね。教太お願い」

「いや、なんで自動的に俺なんだよ」

「私はフィレオフィッシュがいいです」

「あたしはテリタマバーガーね」

「お前ら普通に頼むなよ」

 でも、こんな人の多い状態でそれぞれがバラバラに動くのは席の確保が大変だよな。

「分かった。買ってくるよ」

「さすが、教太!」

「ありがとうございます」

 俺は思う。さっきの俺にパシリに行かせるのをふたりともごく自然に行った。考えていることはいっしょということだ。同一人物だし考えはほぼ一緒だ。つまり、これからも3人で行動すると確実に俺の意見は反映されないことが確定だ。このままで3人でいいのか悩ましいところだ。

 さて、マックに向かう。どこもすごい行列だ。こんな状況を見ればマックも相当込んでいるのだろう。ため息を漏らしつつ。マックに向かう。フードコートの入り口にあったのは入るときに確認している。まっすぐ向かう。それぞれが食べ物の乗ったトレーを運んでいる。基本そっちが優先だ。俺は道を譲りながら進む。

 すると急に誰かに肩を叩かれた。

「あ、すみません。邪魔でしたか?」

 こんな人がごしゃごしゃと入り乱れるところだ。きっと俺のことが邪魔だったのだろうと思っていた。だが、それは全く違った。

「また、会ったね。キョウ君」

「か、香波!?」

 また、会ってしまった。いや、これは予想していなかった。全身に嫌な汗が噴き出る。

 足にしっかりフィットしたピンクのチェック柄の七分丈のパンツにショート丈のレースのTシャツを着た大人っぽい服装だ。香波のイメージは中学から変わっていない。子供だ。こうしてみると見た目は大人になっている。

「どうしたの?もしかして私に」

「ち、違う!そんなことはない!」

 女の子にこんなことを言うのは正直心が痛む。

 だが、ダメなんだ。彼女とこれ以上関わるのはダメなんだ。

「じゃ、じゃあ、俺はこの辺で」

「待ってよ」

 香波は俺の袖を摘んで止める。目線を下にして上目使いで俺のことを見てくる。

「な、なんだよ?」

 耐えられなくなった。香波の相手をする。もう、話すことはない。そう心に決め約束したはずだ。

「キョウ君は私のことを嫌いになったの?昨日は私を見て逃げたし」

 嫌いじゃない。今も昔も。だけど・・・・・・。

「すまない。香波。俺たちの関係はもうとっくの昔に・・・・・・・」

 そうすべてはあの事件が原因だ。あれがなければ俺たち二人の関係はまだ・・・・・。

「教太さ~ん!」

 アキの声がしてさらに俺は肩をびくつかせる。アキが人ごみをかき分けてこちらに向かっているのが見えた。

「・・・・・何?新しい彼女?」

「ち、違う。アキは!」

「いいの」

 うっすら香波の目元に涙が見えた。

「キョウ君が元気そうならそれで・・・・・・いいの」

 そういうと俺の横を素通りして人ゴミの中に消えて行った。香波と入れ替わるようにアキが俺の元にやってくる。

「すみません。飲み物を頼み忘れました」

 そんなことだったのかよ。

 若干あきれる。

「・・・・・・さっきの誰ですか?」

 アキの率直な疑問。彼女に悪気はない。だが、聞いてほしくないことだった。説明すれば俺が過去に起こした事件のことが詮索されてしまう。俺はそれで今の関係が簡単に崩れてしまうことを恐れた。多くの葛藤が頭の中を回転してアキに対して出した結論は。

「知らない人だ」

 アキはなんの疑問も感じなかった。

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