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誰も知らない神の法則  作者: 駿河留守
青色の炎
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記憶④

「ちーす」

 いつも通りに学校にやってくる。その教室の雰囲気はいつもと違っていた。何か重要なことが起きてあたふたと慌てていた。

「なんだ?」

 周りを見渡していつものメンバーを探す。

 太田を見つけることが出来た。他の男子のグループの輪に入り何か話を聞いている。尾崎も探すが見当たらない。まだ、来ていないようだ。とにかくこの教室に漂う妙な雰囲気が何なのか聞くために太田の元に向かう。

「よう。太田」

「国分。おはよう」

 いつもと対応が違う。いつもならここで俺の胸元に飛び込んできて朝から変態行動をとるのだが今日は違う。

「どうしたんだ?」

「・・・・・・知らないみたいだな」

「何を?」

「尾崎が例の中学生狩りに襲われた」

 その時俺に電撃が走る。いずれは来るだろうと思っていた。だが、それが俺の親友ときた。しかも、俺は昨日尾崎とともに帰っている。その時はなんともなくまた明日と声を掛けて別れている。

「重症でこん睡状態らしい。先生も病院に行って様子を見に行っているらしい」

 俺はすぐにある人物が頭に浮かぶ。

 体が勝手に動く。

「ちょっと!国分!どこ行くんだ!」

 俺は教室を飛び出して隣の教室に飛び込む。

 突然入って来た他クラスの生徒に一同が驚き俺の方を不思議そうに見る。そして、律儀に自分の席に座っている香波を発見した。俺はずかずかと入り込み香波の元に向かう。香波はずっと下を向いたまま微動だにしない。

「香波。少しいいか?」

 そう声を掛けるとかすかにうなずいて立ち上がる。そして、重そうな足取りで教室の外に向かう。俺もその後を追う。

 途中までいっしょに帰っていた人物がその直後に襲われた。この事件を防ぐことが出来たかもしれないという責任におぼれているのかもしれない。それは俺も同じだ。廊下に出ると朝のHRが近いせいか人はほとんどいない。

「香波」

「ごめんね。キョウ君」

「お前のせいじゃない。悪いのは尾崎を襲った奴だ」

 警察は一体何をやっているんだよ。早く捕まえてくれよ。このままだとマジで太田まで危険だ。普段鬱陶しい奴だけど俺にとっては大切な親友なんだ。尾崎もそうだ。犯人への怒りがどんどん増していく。

「私のせいだから」

「香波のせいじゃないって。逆に飛び火して襲われなくてよかった」

 俺は泣き出してしまった香波の頭を優しくなでる。それでも自分を責める香波の涙は止まらない。それを見て俺はある決意が生まれる。俺の親友を傷つけ、香波の心に傷をつけた犯人を・・・・・・。

「捕まえてやる」

「え?」

「捕まえてぶん殴ってやる!そうしないと俺の腹の虫がおさまらない」

「ダメだよ!」

 廊下全体に響く声で香波は反対する。

「敵うはずないよ」

「まだやってもいないのに分からないだろ」

「無理だって。あの人に正面からやっても」

「・・・・・・・・あの人?」

 香波は肩をびくつかせる。

 こいつは何かを知っている。そう俺の勘が告げた。

「香波」

「お前らそろそろ教室に戻れ」

 香波のクラスの担任がやって来た。香波は俺に目を合わせないように教室に戻っていく。

「香波。また、後で詳しく」

 香波は逃げるように教室に戻って行った。

 その後も香波に会うために教室を覗くが姿を確認することが出来なかった。

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