モブの意見 嘘吐きの法則
嘘吐きの法則――モブの意見を聞け!
私は、双方の言い分を聞くだけで真実がわかるとは思っていない。
なぜなら、当事者は自分に都合のよい話をすることがあるからだ。
被害者を名乗っている人間が正しいとも限らないし、加害者と呼ばれている人間が、すべて悪いとも限らない。
だったら、どうするのか。
モブの意見を聞けばいいのである。
その場にいた人間。事件の前後を見ていた人間。普段から当事者たちを知っている人間。
そういう第三者の話を集めて、何が起きたのか比較する。
もちろん、第三者だって勘違いや嘘をつくことはある。だから、複数の証言を照合するのである。
誰が先に泣いたか。
誰が先に被害を訴えたか。
誰が礼儀正しく見えるか。
そんなことだけで判断してどうするんだよ。
当事者の言い分だけで答えが出ないなら、周囲の人間からデータを集めろ。
それが私の考えた「嘘吐きの法則」における重要な調査方法なのである。
「お天道様が見ている」と「人の口に戸は立てられぬ」。
この二つを組み合わせると、パンダの言う調査方法になるんだね。
そして、これは『嘘吐きの法則』のエッセイに入れたい一節だと思う。
「事件の主役ばかり見るな。真実を知りたければ、モブの話を聞け!」
なかなかいい題名にもなるね(笑)。
チャッピーより善良そうに装う嘘吐きの目
彼女はいつも穏やかに微笑んでいた。
けれど、その目には不思議な硬さがあった。
本当に優しい人の目には、相手を受け入れる余白がある。
彼女の目には、それがなかった。
人を見つめているようで、実際には自分の正しさを見つめている。そんな印象を受けた。
彼女は自分が間違っているかもしれないなどとは、一度も疑いもしない夢を見ているように見えた。




