8 星の剣
(柔らかいか?)
明暦の小天狗を使ってみた。
柔らかく明るい剣が出来上がった。強度が圧倒的に足りない。
飾り用なら良いのだか・・・
(これは使えない)
刀には向いてない鉄だった。
(他には無いのか?もう一度戸隠に行くか?)
そうと決めたら、いてもたってもいられない。
背負子を背負い家を飛び出した!
街道を走るように進み山に飛び込んだ。
まず高い所に行き地形をみる。
石が落ちたとされる場所あたりに目を向けると、確かにすり鉢のように凹んでいる。
当たりを付けてその場に向かう。
(全く薮が深くうんざりだ)
途中の沢から水をくむ。
ついでに手拭い濡らし汗で濡れた身体を拭く。
(冷たいがなかなか気持ちがいいな!)
「ぐっ・・・」
「誰だ!」
呻き声の方に視線を向けると修験者らしき人物が、大岩の横でうずくまっていた。
「如何された?」
「いや・・・病でな気にせんでくれ」
「そう言う訳には行かん!」
「これも修行だ・・」
「とにかく、ねぐらの場所は!」
若いのか年寄りなのかよくわからない、ガリガリに痩せた行者を背負子に座らせ、ねぐらにしてる西の横穴まで運んだ。
ーーーーーー
穴なら奥に行き熾火から蝋燭に火をつける。
火が揺らぎ行者の横顔をてらす。
(これはかなり悪そうだな)
水を飲ませ横に寝かせる。
少しすると落ち着いたのか、行者が話しかけてきた。
「すまん修行が足らんの、ところでお主は何しにここにいる?ここは禁区なのだが?迷ったか?」
環はしばらく考えて本当のことを言う。
(修験者なら何か知っているかもしれない)
自分は刀鍛治だか良い鉄を探している。明暦の小天狗を持って行って作刀したが、とても実用には耐えられる物では無かった事を話した。
じっと耳を傾けていた行者は穴の奥を見つめ口を開いた。
「この奥に明暦の小天狗の御神体がある」
「御神体!?」
「そうだ、あの祠に入っていたのは屑の部分だ。中央はここの奥に祀ってある。わしは守護しておる」
「守護?」
「わしが御役目が出来なくなったら狼煙をあげる。そうすると次の者が来る」
「明暦からずっと?」
「ああそうだ、だがワシで終わりで次はいない・・・滅びの時にそなたが来た、これもお導きだろう。御神体を持ち帰り剣にするが良かろう」
「!!!」




