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ワン 17

―――…




 休日。仕事のおかげで休日でも目覚まし時計がなくても自然と目が覚めてしまう。


 取れない疲れを感じつつ時間を確認すると、ニュースアプリの通知と蒼からのメッセージが届いていた。村上ホールディングス過去最高益のスタックを横目に、蒼のメッセージをタップした。


「今日、大学の友達が家に来ることに! お酒やらお菓子でパーティー!! さーやも来て」


 なんで大学の集まりに私が? こんなの断るに決まっている。


「行かない」


 返信をすると、すぐに返事が返ってきた。


「直接全身の肌にちゅーしちゃうよ?」


 やりかねない。というか、想像できる! 蒼なら躊躇なくするだろう。


 ぞわぞわしてきたので頭を振って浮かんできたイメージを消す。消し去る。


 だいたい、いつも脅しなんだよな! 脅されてるんだよな私!!


「何時」

「やったー! 十五時からだよ!!」


 蒼の部屋を見たことなかったし、二人きりじゃないし、蒼へのプレゼントを何にするかの参考になるものがあるかもしれないと思った。ただ、それだけ。


 テーブルの上に飾られたフォトフレームには蒼と撮った写真が飾られていて、蒼からもらったキーホルダーとネックレスも近くに置いてある。それを眺めてから、部屋を出た。



 部屋着に近い格好で、少しだけどお酒とお菓子を持参した。十五時ぴったりに蒼の部屋のインターフォンを押そうとすると、階段から二人の女性が上ってきてバチッと目が合う。


 一人はギャル系の見た目で気の強そうな子で、もう一人は眼鏡をかけた真面目そうな子だった。


 ギャル系の見た目の子は豊満な体が強調されるような服装をしていて胸なんか今にも零れそうだった。顔はかわいいし綺麗だからどちらにも属せそう。髪も化粧も派手めで濃いが元がよさそう。

 真面目系な子はダボダボのトレーナーに長めのスカートを履いていた。化粧してるかしてないか分からない程度だが、ウサギみたいな可愛さがある。手には大きな袋があった。


「こんにちは……?」


 一先ず挨拶をした。大学生の集まりに社会人の私が乱入していい気してないかもしれないし。挨拶は基本だ。


「こんにちは! ……沙彩さん、ですよね?」


 眼鏡をかけた真面目そうな子が反応してくれた。とりあえず、ホッとする。


「そうです! 今日はよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

「……」


 ギャル系の見た目で気の強そうな子は、警戒してるのか何も言わなかった。こちらを穴が開くくらいじっと見つめてくる。


 何かダメだったかな!? 笑顔がぎこちなかった?


「あのう……あたし達「いらっしゃーい! 待ってたよ、さーや!!」」


 蒼も部屋着に近い格好で出てきた。まだ私しか視界に入っておらず、気配に気づいたのか女の子たちに目を向けた。


「あ! リカにエリ! 着いたんだね~」


 蒼が登場するとギャル系の子は蒼を捉えた。そして、ドアの近くにくると蒼の萌え袖になっている手を握る。


「どうした? リカ」


 びっくりしている蒼は、リカと呼ばれたギャル系の子の手にもう片方の手を乗せると手を握って引き離した。元の位置に手が戻ったリカは不服そうな顔をする。


「なんであたしらの集まりじゃないわけ?」

「僕がさーやに会いたかったから」

「別の日に会いなよ」

「会える時に会っておきたい」

「じゃあ、あたしらお邪魔なわけ?」

「違うよ! 邪魔だったら呼んでないよ。さーやいるのそんなに嫌?」

「嫌じゃないけど……」


 嫌そうな顔をしながらリカは言う。どうやらリカは私がいることに不満があるらしい。


 大学の集まりなら当然だ。

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