表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/18

アーカイブ 『百物語 とは』


―――


 百物語とは


 日本の伝統的な怪談語りの会として有名な「百物語」。

 新月の夜に行い、怪談を一つ語り終えるたびに蝋燭を吹き消していく、というのがよく知られる百物語のスタイルである。


 鎌倉時代や江戸時代には既に怪談話を語る集いが催されていたという文書もあるほど、日本という国は怪談という文化が身近に存在している。

 今現在でも多くの番組や動画サイトで怪談を語るものが取り上げられ、人気を博している。これも日本に根付く怪談という文化の浸透率を物語っているのだろう。

 

 怪談を百、語った後には本物の怪異が現れてるというのが百物語の「〆」として多く用いられている。

 理由は様々にあるが、恐ろしいものに触れていくとその世界に徐々に近づいていってしまう。または怪異自体に怪談語りを行うことで居やすい場を提供しているなどという言説がある。


 起こる怪異としても様々なものが語られている。

 物の怪の類いが出てきたり、参加者の誰かが消えていたりするものもあれば、幸運を招くようなものもあり一概にどういう怪異が起きるのかというのは分からない。百物語という行為を取り上げた小説や物語によっても、それらは全く異なる終わり方をしているのだ。


 ただ言えることは「怪談を語る」という事はそれだけ、この世ならざる世界に近づくという行為なのだ。

 古くから幽霊や妖怪という存在が語られてきたこの国だが、未だにその存在は不確定であり、解明されている事象ではない。

 だからこそ古来よりそういった不確定な怪異の存在は人々の興味関心を惹きつけ、魅了する。

 そしてその世界により近づこうと生まれたのが「百物語」という行為なのではないだろうか。


 百物語の形式は、地域によって異なる場合も多い。

 どんな日に、何人で、どの場所で、どのように行っていくのか。様々な形式が取り上げられていくが、一つだけ確かなことがある。



 怪談を語る、ということは、怪異に近づくことである。



 読者の皆様にもそれを念頭に置いたうえで、この話を聞いていただけたらと思う。



―― 「月刊『みんなのオカルト』 8月号 『とある呪われた町の百物語』より」


―――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ