表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨の神は名づけの巫女を恋ひ求める  作者: 遠野まさみ
姦計を祓う

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/75

姦計を祓う(2)

水の覇者、とヤマツミはしゃがれた声ではっきり言った。まるで思いもよらなかったが、そもそも自分は努力家であるし、そもそも巫女の才もあったのだと思っている鈴花は、その甘美な誘惑に直ぐ魅了された。


「儂が地の世界の水を統べることによって、おぬしは他の宮巫女たちの領域にも深く関り、儂の協力が欠かせないものにすれば、おぬしは全てを統べられる。我らは真に世界の覇者となるのだ」


土を潤すも乾かすも水次第。木が育つも枯れるも水次第。日が射すには雨を降らせる雲の有り無しが関係する。天神五柱のうち四柱を手中に収めれば、世界を統べることも不可能ではない。


(そうだわ、才あるわたくしが只の宮巫女で終わるわけがない。ヤマツミさまと結託すれば、わたくしは全ての宮巫女の頂点となれる。それこそこのわたくしに相応しい地位だわ)


ヤマツミの言葉に目を輝かせると、鈴花はヤマツミに、ええ、ええ、そうですわね、と応じた。


「思えばミツハさまはわたくしに対してお心を開いてくださらなかった。いつもそっけなく対応されたことが昨日のことのように思い出されます。それに比べるとヤマツミさまはわたくしの祈りをお聞き届けくださるばかりか、私の立場までお考え下さる。大変光栄です。ありがとう存じます」


二人がそう言葉を交わし、手を結ぶのを他人事のように見ていたナキサワが、言葉を発する。


「僕も、地の民の為に井戸の水が万全であるよう、最善を尽くそう。しかしそれは、君が立身するためではない。僕は神だからね。願われたことに対して、応じるのみだ」


「なんと、ナキサワ。おぬしも共に鈴花をもりたてようではないか。そして我らが水神の頂点となるのだ」


ヤマツミの言葉にナキサワは苦笑した。


「いや、僕には分不相応な望みです。とてもそうなれるとは思えない」


「……まあいい。しかしおぬしにも助力をしてもらわねばならぬ。おぬしの井戸が枯れぬのは、儂の堤に水があればこそじゃからな」


ヤマツミの言葉に、ナキサワは頷く。


「僕はヤマツミさまと一心同体だ。手足に使っていただくことは、構いません」


ナキサワの言葉に、ヤマツミは深く頷いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ