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36.Rs  作者: 川之一
7/13

7. 36番力


 『まぁ、俺の風貌はどうでもいいとして……。ザンツィル、よければスールイティ団に入らない?』

自分がそう言うと、ザンツィルは驚いた表情でこちらに視線を向けていた。盗みが上手いと噂れている程の腕前ならば、スールイティ団の仲間としてザンツィルを引き入れたい。


 『……あんた本当にスールイティのリーダーなのか? 嘘ついてねぇだろうな?』

嘘をついていたのはザンツィルの方だろうと、呆れた表情でザンツィルを見ていた。

『本当本当、君みたいに嘘はつかないよ。もし、仲間になってくれるのなら、500万ゴルドの依頼を君に任せようと思ってるんだけど……なぁ〜』

『ご、500万ゴルド⁉︎』

目を輝かせながら満面の笑みでザンツィルはこちらを見ている。断ってくる様子はないので安堵していた。


 どうやら上手く釣れたようだ。もっと報酬金の額を上げようか迷っていたが、500万ゴルドで釣れたのならば上出来だ。これ以上の金額は言わなくてもいいだろう。悩んでいるザンツィルの返答を待つことにした。

『……』

『断るなら他の盗賊に任せるつもりだから。500万ゴルドはその盗賊の物になるけど』

ザンツィルを焦らせて返答を急がせる。

『こ、断ってねぇだろ!』

ザンツィルはスールイティ団に入るだろうと確信し、小さな笑みを浮かべた。


 『……スールイティに入ったら、オレは何をすればいいんだよ。審判のコインは持ってるけど』


 ……審判のコイン? 驚いた表情でザンツィルを見ていた。


 『えっ……誰かから審判のコインを盗んできたの?』

盗んだ審判のコインのことを言っているのだろうと思っていた。だが、番力を使える者からどうやって盗めたのだろう。もし盗めたのならば相当な腕前だ。


 ザンツィルは小さく首を横に振っている。

『……どういう事? まさか……君は審判のコインに選ばれているのか?』


 『オレは、"36番の審判のコインに選ばれている"みたいなんだよ。だから、番力っていうのが使えるみたいで、手を使わなくても物が動かせるんだ』


 『……』

番力が使える盗賊……是非ともスールイティ団の仲間として欲しいところだ。世界財産の一つでもある審判のコインも手に入れられる。何が何でもザンツィルを逃すわけにはいかない。

『凄いなぁー、手を使わなくてもいいなんて羨ましいね。ザンツィルにはさ、他の盗賊団達のアジトに侵入して高額な宝を盗んできてほしい。それだけ!』

『……それだけって、かなりリスクだってあるじゃねぇかよ。どうしよっかな〜』


 『いいよ、別に嫌なら。断ったっていいんだからさ』

焦りを見せてはいけない。盗賊ならば、すぐに気付かれてしまう。


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