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剣を振り続けた少年の冒険譚  作者: ダメ人間
第一章 村の生き残り
1/23

プロローグ

初投稿です。

ページごとに多少文体が変わるのは書き慣れていないせいです。

後から修正していきますのでご了承ください。

ご意見ご感想、また評価を頂けると嬉しく思います。

 辺境の地に『ヴィズの森』という大きな森があった。


 別名『黒楢(ダークオーク)の森』とも呼ばれるこの森は、楢の木が長い年月を掛けて溜め込んだ魔素により、木々は黒ずみ、葉もとても濃い色をしている。また、そのせいで森は暗く閉ざされ、いつ魔物が飛び出してくるかもわからない危険な場所でもあった。


「きゃあっ」


 森に響く少女の悲鳴。

 しかしそれに応える者はいない。


 一ヶ月前に近くの村から冒険者ギルドへ調査依頼が出され、今この辺りは今立ち入り禁止となっている。そしてその調査に訪れたのがこの少女というわけなのだから。


 少女のランクからすれば決して無理な依頼ではなかった。

 ただし、その情報が一ヶ月も前でなければ──


 殴られる直前で割り込ませた愛剣は砕け、庇ったはずの横腹からは激痛が押し寄せてくる。食道から熱いものが逆流し、吐き出した。


 荒い呼吸。激しく脈を打つ鼓動。

 紛れもない『死』がすぐそこに広がっていた。

 意識があるかないかの違いはあれど、結果は同じだった。

 少女に再び立ち上がる力はもう残されていない。


 敗者は蹂躙され、淘汰される。

 これが、子供でも知っているこの世界の不文律である。


「はぁっ、はぁっ……」


 ありえない。いったいいつから!?

 食べる事しか能のない(オーク)が、罠を張るなんて……。


 掠れる瞳の先では、少女を嘲笑うかのような魔物達の姿。

 汚い唾液を口から垂らし、己が欲望を抑えきれず本能のまま一歩、また一歩と少女へと迫る。


 悔しい。悔しい……。

 わたしはただ、あの人に。

 あの人に褒めて欲しかった、だけなのに──。


 少女が最期に想いを馳せたのは、憧憬の背。

 大好きな姉の、後ろ姿だった。


「ごめんね、お姉ちゃん……」

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