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始まりの出会い

雪がしんしんと降る銀世界に少女は倒れていた。少女は寒さから来る強烈な眠気に必死に耐えながらも思考する。



私は誰?と。



数分、いや数十分程経っただろうか?数メートル先に真っ白な兎のような存在が現れる。

それは普通だったら雪兎のように愛らしいだろうが、牙をむき出しにし、目を血走らせてる姿は獰猛な獣でしかなかった。

少女はそれを見て嫌にでも悟る。自分は死ぬのだと。

兎が飛びかかってくる。少女は痛みから逃避するためにぎゅっと目を閉じた。



しかし、何故か痛みを感じなかった。少女は不思議に思い、恐る恐る目を開けた。

そこにいたのは血の海に沈んだ獣と優美な装飾の剣を携えた少年だった。



「大丈夫?」


「え、えぇ、助けてくれてありがとう」



その少年はとても綺麗な顔立ちをしていて、少女はそんな場合ではないのに思わず見惚れてしまった。少年はそんな少女に気づかず手を差し伸べてくれたので素直に手を借りた。



「ここがどこか分かりますか?私、気づいたらここにいたんですけど」


「……残念ながら、僕もよく分からないんだ」


「え?」


「僕は気づいたらこの剣を持って倒れていたんだ。なにも覚えてなくて…」



彼も記憶喪失?…そんな偶然あるのだろうか。偶々出会った二人揃って記憶喪失なんて。

しかし、実際に起きてしまってるんだから納得するしか無い。



「実は私も記憶が無いんです、名前しか覚えてなくて」


「そっか、君は名前は覚えてるんだね。僕はどうしてこうなったのかは覚えてるんだ」


「え!?」



少し躊躇うかのように沈黙した後に少年は告げる。

それは希望などでは無く、絶望的な言葉を。



「僕等は生死をかけたデスゲームに巻き込まれているんだ」



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