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アイロンピッチ 大学野球編  作者: 仲間共成
8/12

第7話「除外危機2年目」

 前回までのあらすじ―――――


 0勝で迎えたリーグ最終戦。

 リーグ除外条件が「年間0勝」に変更となっていたので、この試合には負けられない状況になった。

 相手は6位以下になったことが無い翠清大学。

 試合は我妻が翠清打線を封じきり、味方の1点によって勝利。

 リーグ除外は免れた。


 ―――――――――――


 9月。


 銘央大野球部は夏期リーグが終わると、練習の日々に戻る。

 ちなみに、スーパーコメットリーグが終わると4年は引退となる。


 「おりゃあ!」

 俺の投球は、どんどん改善されていく。

 ストレートは最速で152キロを出せるようになり、変化球では高速スライダーを覚えた。

 それに合わせようと、チームメイトも成長した。

 特に、野手陣は守備と打撃が、投手陣は制球と変化球が上手くなった。


 「こんな急に上手くなるのか……?」

 あまりの急成長に戸惑う監督。

 それに対して、マネージャーはこう話した。

 「我妻くんのレベルに合わせようとしているんだと思うよ、多分」

 「レベルに合わせようとしている、か……。そのうち、最下位という定位置を抜けられそうだな」

 監督はチームの最下位脱出に、期待を寄せる。


 翌年の3月1日、努誠(どせい)大野球グラウンド――――――。


 スーパーコメット春期リーグ、開幕。

 夏期との間で、チームは大きく成長した。

 開幕戦の相手は、1年ごとに上位と下位を往復しているという努誠大学。

 エースである3年の清川(きよかわ)は、「サターンカーブ」と呼ばれる独特の変化のドロップカーブが武器。


 試合が始まると、やはり投手戦となった。

 「はああ!」

 「ふんッ!」

 7回までで、俺も清川も無失点。


 試合が動いたのは8回、銘央大の攻撃だった。

 1アウト1・3塁の状況。

 ここでバッターは5番、小平(こひら)

 清川の第1球は―――――


 142キロのストレートだった。

 勢いよく迫るボール。 

 小平がバットを振る。すると―――――


 「カーン」という音を挙げ、ボールはバウンドしてショートの前にコロコロと転がる。

 ショートは1塁にボールを送球。

 その間に3塁にいたランナーの葛田(くずた)がホームイン。

 これで、銘央大が先制。0-1となる。

 その裏の我妻はバッター3人のうち2人を打ち取り、1人を三振に抑えた。

 9回に追加点とはならなかったが、我妻が抑える。 そして―――――


 「オラアアアアア!」

 雄叫びと共に投げた、ボール球と見せ掛けて急に落ちる125キロのフォーク。

 (これはボ……いや、ストライクか?)

 バットは空を切り、ボールはキャッチャーミットに入る。

 その際、「ズバン」という音が響く。

 「ストライク、バッターアウト!」

 審判の掛け声と共に、試合は終わる。


 0-1で、銘央大の勝利となった。

 良いスタートダッシュを挙げた銘央大。

 しかし、リーグはまだ開幕したばかりだ。


 ・続く

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