第1話「俺は後悔とかしてないから」
あれから1ヶ月が経ち―――――
銘央大学は三可キャンパスの2Fにいる。
スポーツ推薦の合否を決める面接のためだ。
「まず、一つお聞かせ下さい。 貴方は全国制覇まで導いたピッチャー。 一体何故、ここを選んだのですか?」
大学の関係者が質問してくる。
「此処なら自分の実力を最大限に発揮出来るだろう、そう思ったからです」
我妻は少し早い喋りで質問に返答した。
「それはともかく、貴方の高校時代で一番印象に残っている事は何でしょうか?」
すると、別の質問を投げてきた。
「勿論、全国制覇です」
「それでは、他に言う事はありませんか?」
備考的なものなのだろうか。
とりあえず、身体について話す。
「高校時代、右肩の爆弾が爆発した事があるので、右肩に負担を掛ける練習等はやめて貰いたいです」
「以上で終わりです、お疲れ様でした。合否については翌日、こちらの方からお知らせします」
面接は終わった。そして―――――
我妻宅のポストに、銘央大学からの手紙が入っていた。
恐らく、スポーツ推薦についてだろう。
我妻が手紙を開ける。すると、こんな文章が。
「我妻鋼志郎君
貴方は当校のスポーツ推薦に合格しました。
入学式は来年の4月8日に行われます。
銘央大学」
こうして、我妻は銘央大学への進学を決めた。
3月の蜻蛉学院大付高の卒業式も終え、後は入学式の日を待つだけだ。
4月8日。入学式の日だ。
我妻の大学生としての生活が、今始まった。
まず、彼は大学のキャンパスにあるホールに向かう。
何故ならば、そこが入学式の行われる場所であるからだ。
いろいろあって、そのホールに到着。入学式が始まる。
入学式では国歌、校歌の斉唱等が行われた。
新入生の中には高校の時に見覚えのある奴が何人か居たが、本人はこちらの事に気付いているのだろうか。
それはともかく、俺も今日からは大学生だ。
大学生となると、野球と学業の両立が大事になる。
しかし、俺が最終的に目指す物は一つ。3年後のドラフトで、プロ球団からの指名を受ける事だ。