表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイロンピッチ 大学野球編  作者: 仲間共成
10/12

第9話「リーグの闇」

 前回までのあらすじ―――――


 2年になった我妻。

 スーパーコメット春期リーグ開幕戦から、相手打線を完封。

 その後、入学式と新入部員の紹介があり、春期リーグの試合が始まる。

 しかし、相手の會嚶大は異様な雰囲気に包まれていた。

 その理由とは、一体―――――


 ―――――――――――


 この會嚶大の異様なやる気の無さの秘密は、昨日の出来事にあった。

 それは某所ビルの2F、殺伐とした風景の部屋での事。

 そこには、胡散臭い薬や人形のようなものが大量にあった。

 「おい、スーパーコメットリーグで賭け事やってみねえか?」

 「面白そうだな。対象試合は……銘央と會嚶の試合でいいか?」

 「その2つ、リーグの中で凄く弱いんだろ? それにしようぜ」

 「良いわね……。 メールで送っておくわ」


 「お前が看板のようなものなんだからな、しっかりやれよ?」

 「あっ、良い事を浮かんだわ!」

 「ん?」

 「賭博を働いてみないかしら?」

 「賭博だぁ? お前、捕まりたいのか!?」

 「金をちらつかせて、あえて27奪三振の完全試合にさせるのよ」

 「どっちに対してだ?」

 「お前も乗る気かよ! どうなっても知らねえからな……」

 「それは……メールへの返信次第かしらね」

 数時間後―――――


 「で、返信は来たのか?」

 「34通、振り込まれる予定の額は合計で38万といった所かしら?」

 「それで、どっちに賭けるのが多かったか?」

 「過半数以上が銘央大だったわ」

 「ああ、あいつの所か。 それじゃ、決まりだな!」


 賭博だ。

 しかも、會嚶大野球部の中にそれを企んだ組織とつるんでいる人物がいた。

 その人物も、銘央大に賭けていた。

 そして、試合前。

 組織の要望により、會嚶大は手を抜けと言われていたのだ。


 この要望を受けた選手達はというと―――――

 我妻がストライクゾーンの球を投げると見逃し、ボールの球には適当にバットを振る。

 また、守備や投球も同じチームとは思えないほど下手になっていた。

 その結果、試合は35-0で銘央大の勝利。

 我妻は1死球の27奪三振。


 そして、その試合後―――――


 八百長が発覚。大々的に報道されたのだ。

 発覚までの経緯はというと、會嚶大の選手からチームメイトがバイトで手に入れたと思われる金を賭博に使っているとリーグ本部に連絡があり、本部が調査。

 その結果、その選手の端末から組織宛にチームの勝敗を予想していると思われるメールが見つかったのだ。

 最終的に、この事件で組織の関係者17人と會嚶大選手1人が逮捕・処分とされた。

 これにより、スーパーコメットリーグの名は、悪い形で広まる事となった。


 実際、チームメイトが続々と野球部を辞めていった。

 選手が関与していた會嚶大に至っては、野球部自体が存続の危機に立たされた。

 そんな中でも、銘央大は最終的に8位。

 脱退はもちろん、最下位という定位置の脱出にも成功。

 その理由は、會嚶大の凋落と俺の活躍。

 ちなみに、優勝したのは智宮(ちきゅう)大だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ