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渡れない
いつもそうだ。
私はいつも運がない。
あとちょっとのところで届かない。あと少しのところで機会を逃す。
急いでやれば仕損じるし、ならば巧遅をと心がければ間に合わない。
いつだってタイミングが悪いのだ。この上なく悪いのだ。
なんだって上手くいかないのだ。どうしようもなく駄目なのだ。
結局一生、そんな流れのままだった。
私は河原で途方に暮れる。
川は向こう岸が見えないくらいに広く、悠然と流れている。上流も下流も、やはり霧に包まれて何も見えない。
船着場はあった。
けれど渡し守がいない。艀もない。
多分、船は出てしまったところなのだ。きっと、また乗り遅れてしまったのだ。
次の船まで、どれくらい待てばいいのだろう。
それまで、どうしていればいいのだろう。
白い霧の中、私はぼんやり立ち尽くす。




