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  作者: 鵜狩三善
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袖中虎

 四軒隣のM氏は虎を飼っている。

 虎は普段、袖の中に納まってしまうほど小さい。だがM氏がひと(たび)腕を打ち振れば、大人の背丈を越える体高の大虎となって吠え猛るのだ。

 虎は、代々家に受け継がれてきたものだという。

 お陰で強面(こわもて)どもがこの土地で悪さを働くこともなく、M氏は地元において、ちょっとした人気者である。


 だが肩で風切るこのひとりと一匹にも弱点はあって、それは単純至極に酒なのだ。

 両名ともの無類の酒好きで、勧められれば勧められただけ、それこそ正体を失くすまで呑んでしまう。


 先日などは酔いどれた虎が大家の鶏を数羽、ばりばりと頭から齧ってしまったとかで、主従揃って大層に叱られていた。

 勇猛なる虎もこの時ばかりはM氏の隣でしゅんと項垂れていて、食べられた鶏には気の毒だけれど、あれは随分と可愛いありさまだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小さくなってれば、猫さながらでカワイイかもしれない! あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いします。
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