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  作者: 鵜狩三善
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常識的判断

 釣り船業を営んでいるのだが、この時期になると毎年決まって面倒な連中が現れるので難儀している。

 

 夏場、夜釣りの船を沖へ出すと、波間から人の頭が突き出す。

 ひとつのこともあれば、ふたつみっつどころか十数個のこともある。

 それらは助けを求めるかのように、海面に飛沫を立てて手を振って寄こすのだ。

 

 面倒というのは、これを見て騒ぎ出す連中のことだ。

 こんな沖合を夜半に泳ぐ人間はいない。いるとすれば自殺志願者くらいなものだが、それだってもっと浜に近い場所で溺れ死ぬ。

 そもそもこの頭どもは、船に並行して泳いでいるのだ。生きた人間に出せる速度では到底ない。

 関わらず放置するのが一等と決まっている。

 だというのに正義にかぶれたこの種の輩は、


「溺れている人がいる!」

「見捨てるのか!」


 などと声高に騒ぎ、操船と他の釣り人を邪魔立ててこの上ない。

 もっと広く世間を知って、まず常識を学べと思う。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ホラー物の常識ってやつですね(違う)
[良い点] 「常識とは……?」って、ちょっと考えちゃう笑 慣れるというのは、恐ろしいもの。でも、そこで生きていくには必要不可欠なのかもしれないですね。 下手に関わったらどうなるのか、どうやら視点の方は…
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