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  作者: 鵜狩三善


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仏間の怪

 妻の実家に泊まった折の事である。

 夜半、隣からする(りん)()で目が覚めた。一度や二度なら我慢して眠るのだが、音は繰り返し繰り返し響く。

 こんな夜更けに一体何をしているのだと、膝を立ちに歩いて、隣室との境の(ふすま)に寄った。

 薄く開けて覗き見ると、仏壇の前に何かが胡座をかいている。どっかりと座り込んでなお部屋の天井まで頭が届く、それは大きな人外の影だった。

 思わず漏らした声は、しかし気にとめられなかった。

 影はただただ熱心に、一定の間隔で鈴を鳴らし続けている。

 襖を閉めると寝具に這い込み、頭から布団を被って無理矢理にきつく目を閉じた。



 明くる朝。

 起床した妻に昨夜の一件を伝えると、ひどく怪訝な顔をされた。

 まあ(にわ)かには信じがたい事であろうと思っていると、彼女は部屋境の襖を開け放って隣を見せた。

 そこにあるのは半畳ほどの物置きで、仏間どころか仏壇を置く空間すらない。

 どうにも、化かされたような心地になった。

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