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  作者: 鵜狩三善
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誘われる

 外から、重く濡れたものを叩きつける音がした。

 二階の窓まで届く大きさに驚き、何事かと首を出すと、出来損ないの押し花のように手足を捻じ曲げた女の体が下の路面に転げていた。

 じわじわと赤黒いものがアスファルトに広がりだしている。どうやらここの屋上から身を投げた者ののようだった。

 息のあるなしは、ここからでは判然としない。素人療治(りょうじ)よりも救急車をと携帯電話を探り出し、もつれる指でコールする。

 急く心を察したかのようにすぐに電話は繋がり、しかしこちらが何を言うより早く、


「君もおいでよ」


 それだけ告げて、ふつりと切れた。


 気づけばいつからか、女の顔がこちらを見上げていた。どうやら笑んでいるようである。

 先の声は、彼女のものに違いないのだろうと思った。

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