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  作者: 鵜狩三善


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神託

 初詣はもう終えたけれど、近所の寂れた神社へ足を運んだ。

 来年は受験で、私は進学先に悩んでいた。

 友人の殆どは地元の公立に行くのだという。けれど親は「将来を考えなさい」と遠い私学を推す。気持ちとしては、私も友達と一緒に公立へ通いたい。でも両親の言う事にだって道理はあるのだと思う。

 そんなどちらとも決まらない心のままのお参りだった。

 神頼みというよりも、愚痴を聞いてもらいに来たというのが正しいかもしれない。

 誰もいない境内で、手を合わせながら頭の中だけで迷いを訴え終えたら、それで少しだけすっきりとした。


「さてさて、私はどうすればいいんでしょうね」


 (ひょう)げて口に出したら、


「友誼を重んじよ」


 どこからともなく、子供のように細く高い声がした。

 驚いて声の出処を探ると、境内の隅の草むらから頭を覗かせている小さな蛇とばっちり目が合った。そのままお互いに見つめ合って数秒、蛇は申し訳なげ幾度か舌を出し入れすると、


「すまぬ。適当を申した」


 おそらくは会釈だったのだろう。

 小さく頭を動かして、それから草の向こうににょろりと消えた。

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