変わらぬ日々
目を覚ます。
今度こそはと思ったけれど、やはりいつもの朝だった。
「おはよう。今日は早いな」
階下に下りると父の声。これもいつもの事。
テレビでアナウンサーが読み上げるニュース。これももう諳んじられるくらいにいつも通り。
相も変らぬ一日だった。
昨日──主観的にはもう何ヶ月も前だけれど──まで、私はごく普通に暮らしていた。何の変哲もない時間の中を生きてきた。
けれどどこかで時の流れは捩くれてしまったようだった。
私はもう幾度となく、この今日一日を繰り返している。眠りなどで意識が途絶すれば必ず、私はこの朝に目覚めるのだった。
さしづめ回し車のハムスターだ。ぐるぐるぐるぐる、いつまで経っても同じところで走り続けて、どこへも辿り着けやしない。
ループによる未来予知を楽しめたのは、主観時間でおよそ半月くらいまでだった。
記憶以外は巻き戻されてしまうから、結局何をする楽しみもない。いっそ記憶も消えてくれたなら、ままだ楽だろうに。
一つ前の今日では覚悟を決めて、とうとう自殺までしてみた。けれど、それすら無駄だった。
どうしてこうなってしまったのか。原因は分からない。理由も分からない。
ただぐるぐると繰り返される、変わらぬ日々。地獄というものが世にあるならば、それはここだ。
どうすればいいのだろう。どうすればこのどうしようもない今日が終ってくれるのだろう。
誰か、助けてくれないか。




