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  作者: 鵜狩三善


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煮炊きの煙

 知人の画商に、秘蔵の絵を見せてもらう事になった。

 秘蔵と言っても有名どころ、高額商品の類ではない。所謂、いわくつきと呼ばれる品だ。長く営む画商であれば、大体一点か二点はそうした、売るに売れない絵を持っているという。


 案内された先に用意されていたのは風景画だった。

 山を、棚田を描いたものだ。

 いわくつきの言葉から連想するような恐ろしげな風情も、鬼気迫る様相もない。実にのどかに、和やかに見える。


「この棚田の裏側辺りにねぇ、村があるんですよ」

「どうして分かるんです?」

「いえね」


 言葉を切って、画商は壁時計を指した。彼の指定通りに正午に来たから、針はまだそこから5分も動いていない。


「大体これくらいの時分になると、その辺りから煙が昇るんですよ。ほら」


 言葉に合わせるように、棚田の裏手から煙が立ち昇り始めた。ゆらゆらとのびあがり、画中の空へ吸い込まれていく。


「きっと、炊事の煙なんでしょうね」


 昼時ですからねぇ。

 言って、画商は鷹揚に笑った。

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