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  作者: 鵜狩三善
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近づかない

 小学校に上がって、スイミングスクールに通い始めた。

 泳ぐのが面白くなって、潜っていられる時間を延ばそうと、家でも練習をした。

 お風呂の時、浴槽に潜るのだ。

 浴槽の底に背中をつけて、お湯越しに天井を仰ぎ見る。そのままぎりぎりまで我慢して、耳の奥が自分の鼓動で一杯になってもう駄目だと思ったら顔を出す。

 繰り返すたび、ちょっとずつ長く潜れるようになっている気がして嬉しかった。


 そんな練習の、何度目の時だったろう。

 息継ぎに浮かび上がろうとしたその瞬間、ぐっと両肩をつかまれた。肩だけじゃなかった。腕も足も沢山の手につかまえられて、僕は湯船の底に貼り付けにされた。

 お湯越しに見える天井は、どれだけ願っても望んでも、とうとう近くならなかった。

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