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  作者: 鵜狩三善
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親切心

 ひどく寒くて目が覚めた。

 寝ぼけた頭で見回すと、部屋の窓が開いている。

 昨日は酔って帰って、だから体感では暑かったのだろう。換気して少し涼もうと思ったのを覚えている。おそらくそのまま寝入ってしまったのだ。

 アルコールの抜けた今にして思えば狂気の沙汰だった。もう師走なのだ。


 とにかく窓は閉めるべきだ。

 しかし一度寝床を抜け出たらこの寒さである。それで完全に頭が覚醒してしまうだろう。そうなればその後、心地よくまた眠るというのは難しい。

 しかし現実問題として、とても寒い。寒風は容赦なく吹き込んでくる。

 仕方ない布団を出ようと覚悟を決めたその時、窓の外に腕が見えた。細い、枯れ木のような、そして黒ずんだ腕だった。

 腕は窓をがっと(つか)むや、音を立てて勢いよく閉めた。


 多分、厚意でしてくれたのだと思う。

 思うのだけれど、残念ながら私の目は、これ以上なく冴えてしまった。

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