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  作者: 鵜狩三善
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 犬の散歩の途中、なんとはなしに上を見上げた。

 振り仰いだのは夜空をではない。

 建設中のマンションの工事現場に通りすがって、なんとなく、ブルーシートに包まれたその天辺まで視線を伝わらせたのだ。


 すると、そこには予想外の色があった。

 夜空の黒を背に青の頂で、赤々と炎が揺れている。

 確かここは五階建てのはずだから、屋上の位置はかなり高い。だというのに炎は、地上からもしっかり見てとれた。


 不思議と、火災だとは思わなかった。

 炎は、ただただ静かに燃えている。

 視線を戻すと、わたしの他にも通行中の数名がそれを見上げていた。

 物問いたげな雰囲気がその場を漂ったが誰も切り出さず、ただお互い気まずく会釈して、三々五々に散った。


 結局何が燃えていたのかは分からない。

 そして以降、そこに再び火が灯る事も、またなかった。

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